秘密の場所








 私と彼女の、秘密の場所。

 そこでなら、彼女は本当を出してくれるんです。

 いつもは、元気いっぱいの彼女が、時折とても悲しそうな顔をします。


 私は初めそれを見たとき、とても驚きました。

 当然ですよね。

 いつもの彼女を知っていれば、誰だって驚くはずです。


「黒鉄さん、やはり此処にいらしたんですね」


 黒鉄はやてさん。

 かつて、私が勝手にライバルだと思っていた人。

 仕方ないじゃないですか、私の一番の売りは、素早さなんですから。

 文字通り疾風の如く素早い動きをした黒鉄さんを、ライバル視するのは。

 着地ですっころんだり、木にぶつっかったり、詰めが甘い感はありましたけど。


 けど、それが演技だと知ったのは、本当のはやてさんを知り始めてからです。


「隣、よろしいですか?」


 小さな体で、首肯も小さくて。

 そんな彼女に、くっついて座った。

 離れようとする黒鉄さんに気づいて、腕を抱きしめる。


 不満そうな目を向けられたけど、私は微笑み返した。


 本当の黒鉄さんは、とても無口なんです。

 無口で、物静かな人。


 夕陽が大地に沈む時間がとても好きらしくて、毎日と言っても良い程。

 彼女は、此処で茜色の空を眺めているんです。


 私が、いつも鐘を叩く此処で。


「綺麗ですね」

「うん・・・」


 黒鉄さんは気づきません。

 私が、何に対して綺麗だと言ったのか。

 もっとも、黒鉄さんが気づかないからこそ、言える言葉なんです。

 わざと、わからないように言っているんです。

 だって、恥ずかしいですから。


 本当は、あなたの瞳に映る茜色のことなんですよ?

 悲しい色を宿しているのに、とても綺麗な、透明な瞳。


 その瞳で、何を見てきたのかなんて、

 何故、そんな瞳をするようになったのかなんて、

 私はまだ聞く勇気がないけれど。


 いつか、あなたともっと近づけたら、聞いてみたいです。

 そのときは、私の想いも一緒に。



<一応、静久×はやてなんですが(汗>
<静久だと、わかりますか?(汗>














<想いは消えず>










 昔、迷子になったことがあった。

 確か、10歳になったばかりの頃だったかしら?

 今とは違って泣き虫だった私は、泣きながら歩き回った覚えがある。


 そんな私に声をかけてくれたのが、私よりも小さな双子の姉妹だった。


「おねえちゃん、どーしたの?」

「まいご?」


 手を繋いだ、まだ舌っ足らずな問いかけに、私はただ頷いただけ。


「どこからきたの?」

「あっち・・・」

「なら、しょうてんがいのほうかな?」

「かもしれないね」


 双子のこの1人が、私の手を取った。


「つれていってあげる」


 にっこりとその子が微笑むと、反対側の手ももう1人に取られた。


「だから、なかないで」

「・・・うんっ」


 1人じゃない。

 それに安心して、私は2人に微笑み返し、案内されるまま歩く。

 その道中、2人とも楽しい話をしてくれた。


 寂しかったのも忘れて、いつの間にか知っている場所に着いてすぐ、母を見つけた。


「あ、いた」

「なら、もうだいじょうぶだね」

「よかったね」

「ありがとう!」


 笑顔で告げると、2人もにっこりと笑い返してくれた。


 その直後、片方の子が急に私の額にキスをしてきた。


「っ!?」

「はやて!」

「元気でね♪」


 驚く私と、声を上げる片方の子。

 それを気にした様子もなく、その子は笑顔のままもう一人の手を取って駆け出した。


「あ!」

「またね!」


 すぐに人ごみに消えてしまった彼女たち。

 かすかに、怒るような声が聞こえるけど、私の目には見えなくなっていた。




 あれから、数年。


「おししょー!」

「っだー!うざってー!!」


 あの子は、私のもとへと現れた。


 何故わかるのかって?

 それは、恋の力、とでも言えばわかるかしら?


「みかどーん」

「紗枝!その名前で呼ぶなっつったろうが!!」

「可愛いわよ、みかどん」

「目が笑ってねーぞ!?」

 
 あら、嫉妬くらいしても良いじゃない。

 それにあの子、私に気づいていないみたいだし?


 まあ、これから私の虜にしてみせるけどねv




<もう、何を言えばよいやら>

<もはや、意味不明。すみません>








<愛するがゆえに>






 本当は、あなたと一緒に歩みたかった。

 人生という名のレールを。


 先が見えなくとも、あなたといられるならば、わたくしはそれでも良かった。

 むしろ、あなたがいるならば、見えない先も楽しみになった。


 それなのに、天地という家名はわたくしたちを引き離した。

 静久だって知りはしない、あなたとわたくしの関係。

 引き離されてからは、あなたがまだこの世にいるかさえも確認できなくて。


 それが、最近ようやく確認することができた。

 あなたと瓜二つの子の履歴書を見て、あなたではないとすぐにわかった。

 あなたにそっくりだけれど、愛を誓ったあなたではないと、すぐにわかったわ。


 なのに、病気のせいで遅れてやってきたというあなたを見て、胸が震えたのよ。

 わたくしはどれだけ歓喜したことかしれないわ。


 忘れもしない、あなたの瞳を見て。

 忘れもしない、あなたの笑顔を見て。

 忘れもしない、瞳の奥にある愛しみを見て。


 どれほど、かつてのように抱きしめたかったか。

 どれほど、かつてのように口付けたかったか。


 それなのに、あなたは無道さんの膝の上に座って、笑う。

 わたくしにしていたように、無道さんにそうやって甘える。


 ねえ、わたくしのはやて。

 わたくしが、嫉妬なんてしないとでも思っているの?

 わたくしが、黒い感情を持たないとでも思っているの?


「・・・閉じ込めてしまいたいくらい」

 愛しているのに。


「何か言いましたか?ひつぎさん」

「いえ、なんでもないわ。静久」

「そう、ですか?」


 ねえ、はやて。

 早く、わたくしのもとへ戻ってきなさい。

 でなければわたくし、何をするかわからないわよ?




<く、暗い。なんか、ひつぎさん怖いし・・・>
<マジすいません(激汗>












<あの子の傍にいるあなたが>






 人は少しのことで変わる。

 キッカケ一つで、その人の人生が一変してしまうのだ。

 そのキッカケが良いものか悪いものか、それぞれである。


 そして、私のキッカケはあの子に出会ったこと。


 はじめは、綾那の新しい刃友がこんなのかとひそかに落胆していた。

 上にあがってきたとしても、それはきっと綾那の力。

 私たちと対峙したとしても、あの子は槙先輩にたどり着く前に私が倒す。

 否、簡単に倒せる。


 そう思っていたのに・・・。


 綾那、あなたは知っている?


 あの子が、獣のような獰猛さをもっていることを。

 あの子が、風のような静寂をもっていることを。

 あの子が、日差しのような穏やかさをもっていることを。


 様々な彩りをもっていることを。


 それを知ることができたのは偶然だわ。

 けど、私は知ってしまったのよ。

 彼女の本質を。


 はじめは、あなたの傍にいるあの子に嫉妬して。

 今は、あの子と共にいることを許されたあなたに嫉妬している。

 私では、到底立てない位置にいる綾那に。


 だから、早くのぼってきなさい、綾那。

 そのとき、教えてあげるわ。


 私が、彼女を抱いているのだということを。


 それによって、私とあの子の関係は消滅してしまうかもしれない。

 それでも、あなたが悔しがるところを、悲しむところを見たいのよ。


 だって私は、あの子の傍にいられるあなたが、憎くて仕方がないのだから。






<わかりますか?>

<一応、染谷嬢のつもりです。>

<全然わかんねぇーよ!という方がほとんどだと思いますが(汗>

<ごめんなさい!>









<自分という存在>





 あたしは、黒鉄はやてという存在が嫌いだ。

 そう、あたしという存在が嫌い。


 いなくなってしまえば良いのに。

 そう思わない日はない。


 なんで存在してるんだろう。

 いつも思う。


 自分という存在が鬱陶しくて、しょうがない。

 あたしという存在に接してくる周りが、鬱陶しくてしょうがない。


 けどきっとあたしは、みんながいなかったらすぐにでも

 自分の手首を掻っ切ってしまうんだろうと思う。


 そしてあたしは、みんながいるから、この世から消えてしまいたいと思ってしまう。


 みんなは、あたしをこの世に繋ぎ止める鎖のようなもので。

 みんなは、あたしに【消えてしまいたい】と思わせるナイフのようなもの。


 矛盾なそれは、確かに存在していて。

 あたしの体をがんじがらめにする。

 がんじがらめにして、あたしの体を傷つけるのだ。


「余計なことは、考えないで」


 抱きしめられる体。

 直接感じられる、素肌の温かさ。


 いつか、あたしは素直にこの人と触れ合えるときが来るだろうか。

 下らない思想を抱くあたしは。

 アホらしい矛盾を宿すあたしは。


「はやて」


 顔を向ければ、昼間には見せない顔をした人がいる。

 いや、この人は昼とか夜とか関係なさそうだけど。


「わたくしのはやて」


 いつか、言えるだろうか。


 あなたがいて良かった、と。


 自分でも理解できない、黒い感情をかかえたあたしは。

 こんなあたしに、初めて”愛”というものをくれたこの人に。


 あなたが好きです、なんて。






<はい、意味不明ですね>

<ぜんっぜんわからなかったと思いますが、会長殿×はやてです>

<でも、こういう意味不明なのは、実は書いていて楽しかったり>





















 ブラウザバックでお戻りください。




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