<変態行為は止めて下さい>
広い地平線。
見渡す限り、どこまでも海?
嘘嘘、家が普通にあります。
「巳星ー。何してんのよ!」
「巳星ちゃん、降りてきてよー!」
「ああ、ごめん」
藍華と灯里に軽く謝り、わたしはARIAカンパニーの屋根から降りる。
初めはわたしのこの行動に驚いていた2人も、今では慣れたように待っていてくれる。
だからって、人のスカートの中を見ようとしないで、藍華。
さりげなくしてるつもりかもしれないけど、バレバレだから!
というか、親友が変態くさい行動してるんだから灯里も止めようよ!
「チッ!一足遅かったか!」
お前もか、晃・・・!
ヤダなぁ、この師弟。
そろって変態くさいんだもん。
軽く引くよ?
「てかさ、晃みたいに綺麗な人が、人のスカートを覗こうとするな」
「き、綺麗・・・っ」
何故照れる!?
何故、そこに注目するんだ、お前は!!
敬語?
そんなの、こんな人に使うこと自体ありえない。
調子にのられたら困るし。
「ちょっと!私は綺麗じゃないわけ!?」
「いや?藍華も、十分綺麗だよ?」
「うふふ」
「もちろん、アリシアさんも」
だから、意味もなく迫ってこないで!
顔、近い!
「ありがとう、巳星ちゃん」
だから、顔近いっつーの!
「アリシア!!」
すわっ、と叫び、アリシアさんはバック走行で逃げ、それを晃が追いかける。
・・・・器用なお方。
「ね!ね!早く、練習しよう?」
「そうだね。行こう、藍華」
なにいじけてるのか知らないけど。
また、アリスにチョップされるよ?
・・・・わたしが。
<なんとなくノリで、あくまで一般人の方向で、のin AQUAバージョン>
<そして、巳星のキャラを忘れました・・・>
<摩訶不思議な出来事>
わたしは今日、買い物に来ている。
だが、残念なことに迷子です。
そこ、16にもなってとか言うな!
迷子なんて・・・
迷子なんて、いくつになってもなるものなの!(泣
・・・今日に限って、変態さんたちもご一緒ではありませんし?
灯里はアリシアさんに休日訓練をしてもらってるし?
「・・・とりあえず、歩こう」
迷子になったら動かない!なんて方程式、時には無意味だからね。
つか、それは誰かと一緒にいるときに有効なやつであって、1人の時にやっても・・・ねえ?
というわけで、歩いてみた。
何故か、路地裏を。
だって、こういうときに限って、探究心がうずくというか。
知らない場所をめぐりたいというか。
迷子の時点で、全て知らない場所だけどね・・・。
まあまあ、ポジティブにね!
「っと、お?」
何かに衝突。
驚きつつそれを見れて撫でれば、ふわふわした体毛。
なんすか?これ・・・?
徐々に顔をあげれば、
「・・・・Cat!!?」
でっかい大きな猫でした。
あはは〜・・・。
ネオ・ヴェネツィアって、何でもあり〜・・・。
いやいや!
ありえないから!ありえないから!
目を覚ませ!須加巳星!
被り物!
本物とかありえないから!
1人ボケツッコミをしつつ、手は相変わらず彼(彼女?)の体毛をなでなで。
「えっと、どこのどなたでしょうか・・・?」
「・・・・・」
無視か!
つか、ガン見かコラ!?
と、一瞬の浮遊感。
「って、俵担ぎかこの野郎!!」
なに、この状況!?
拉致!?
わたしが美少女過ぎて、思わず拉致っちゃった!?
・・・・うっぷ。
嘘です、壮絶嘘です。
自分で言ってて、吐きそうになっちゃった・・・・。
「ちょっと、お兄さんだかお姉さんだかわかりませんが、わたしなんて拉致ってもお金ないよ?」
「だからさ、やめましょうよ。ね?ね?」
・・・ああ、また無視ですか、このヤロウ。
一人喋って、馬鹿みたいじゃないか。
でも、無言は寂しいので喋りまくる。
は?余裕?
ハン、これくらいでビビルような乙女じゃないの、わたし・・・(遠い目
――― ストン
しばらく1人語りをしていたら、急に地面に降ろされた。
「へ?」
「・・・・」
お兄さん(決定)は、無言で指を路地をほのかに照らす光りを指差す。
まるで、あそこに行け、と言っているような。
「あそこに行けば良いの?」
「・・・(こくん」
・・・畜生、可愛いじゃないか、このデカイ猫。
何が、こくん、だ。
一瞬、キュンとしちゃったじゃないか。
「まあ、了解」
とりあえず、言われたとおりにそこに向かって歩いていく。
光りを抜けての一瞬の眩しさに目を庇っていたら。
「あーー!巳星ちゃん、やっと見つけたーーー!!」
「どこ行ってたのよ!!」
最近聞きなれた声が。
顔をそちらに向けると、走りよってくる灯里たち3人が。
「・・・あれ?」
そして、ドン、という衝撃。
驚いて顔を下に向けると、アリスがわたしに抱きついていた。
・・・どういう状況?
「・・・でっかい心配しました」
でっかく心配されたらしい。
が、しかし、わたしはまったく状況がつかめないんですけど。
「お昼過ぎても帰ってこないから、心配したんだからね!」
「なにボーっとしてんのよ!馬鹿巳星!!」
目の前には泣きそうな顔をした灯里と、怒った顔の藍華。
その後方には、ARIAカンパニーも見えて。
空が、薄暗かった。
「・・・どう、なってるの?」
須加さん、意味不明なんですが・・・。
<やはり、なんとなくノリで、あくまで一般人の方向で、のin AQUAバージョン>
<続くのでしょうか・・・?>
<あなたが好きです>
時々、思い出したように落ちる闇の中。
それは、今でも鮮明に思い出せる、記憶。
血に染まった視界。
痛む身体。
倒れる、愛する人。
狂ったように笑う、憎いやつ。
過去の繰り返しを延々と。
叫びだしたい欲求。
叫べない現実。
それらは、いつまでも。
いつでも、わたしを蝕む。
忘れたくて。
忘れることなんてできない過去。
「・・・し・・ん・・・ほしちゃ・・・・・巳星ちゃん!」
「っ!?」
ハッと目を覚ますと、視界いっぱいに、心配そうな顔をしたアリシアさんがいた。
「アリ、シアさん・・・?」
「大丈夫?魘されていたみたいだけれど」
「・・・大丈夫、です」
額を流れる汗を拭って、あたりを見渡した。
誰もおらず、わたしとアリシアさんだけしかいない。
「他のみんなは・・・」
「巳星ちゃんが寝ているからと、お外でゴンドラの練習をしているわ」
「そう、ですか・・・」
「・・・我慢しなくても、良いんじゃないかしら?」
「え・・・?」
何のことかとアリシアさんを見ると、何故か今にも泣きだしそうな顔で。
わけがわからず、
けど、泣いてほしくなくて。
伸ばそうとした手。
それは、手の甲を打つ何かに気づいて、動きを止めた。
「あれ・・・?」
「気づいてない?巳星ちゃん、泣いているのよ?」
「え・・・」
慌てて自らの頬に手をあてると、確かに濡れていた。
「なんで・・・」
「巳星ちゃんは、弱みを誰にも見せない強い子だわ。けど、それだといつか壊れてしまう」
抱きしめられて。
耳横から聞こえる声は、震えていて。
アリシアさんのほうが辛そう。
「だから、泣いてちょうだい。溢れ出た涙に身を任せて、泣いて」
ギュッと。
苦しいくらい強く抱きしめられて。
目頭が痛い。
痛いよ。
痛いよ・・・っ。
「我慢なんて、しないで」
「っく・・・っ」
止まらない涙。
声を何とか抑えて。
でも、目から出る水は、抑えられなくて。
痛い。
心が、痛いよ。
わたしはまだ、
あなたを愛してます。
<in AQUAバージョン、シリアス編>
<強いだけの子ではないのです>
ブラウザバックでお戻りください。
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