【癒しキャラ】































 2−Aに転校生がやってきた。

 黒縁眼鏡に真っ黒髪の2本の三つ編み。

 若干暗そうな。


 けれど、普通の子。


(ああ・・・全然イイ)


 いくら暗そうでも、

 いくら時代錯誤な髪型でも。


 ネネコさんよりはマシ!!


 全員(ネネコ&吉川以外)の思いだった。


「初めまして、 です」


 それに、全員の予想に反して声は綺麗な透き通るような声。

 暗そうな外見だけれど、性格はそうでもないよう。


「席はー・・・あそこな」


 先生が指定した席は、残念なことにネネコのとなり。

 それに花たちはギョッとするが、転校生の彼女は気にした様子もなくそこへ。

 そして。


「初めまして。・・・あれ?寝てるの?」


 挨拶をし、眠っていることに気づいたばかりか、その顔を覗き込んで肩を軽く叩いた。


「・・・はい?」

「初めまして、 です。今日から、この席になったからよろしくね」

「佐藤ネネコです。よろしくお願いします」


 はにっこりと微笑んだ。

 ネネコはそれに表情を変えずに返す。

 いつものように。


 彼女はそれに笑みを深めると、何の疑問を浮かべた様子もなく席に着く。


(強ぇぇーーー!!)


 早くも、彼女に対する認識はそうなった。


「あ、あの、あたし、山田花。よろしくね」

「うん、よろしくね」

「わからないことがあったら、聞いてくれていいから!」


 花がどこか嬉しそうにそう言う。

 ネネコに普通に対応する彼女と、仲良くなりたいと思ったのだろう。

 それでできれば、ネネコの後始末のお手伝いなんて・・・。


 花の思いに気づかず、彼女はにこりと頷いた。


「わかった。じゃあ、一つ聞いてもイイ?」

「なに?」

「なんで、佐藤さんの机、壺が置いてあるの?」


 至極全うな質問に、花は一瞬言葉に詰まり、表情を固める。

 なんて答えてよいやら。


 すると、本人が答えてくれた。


「蜜壺です。お腹が減ると眠くなるので」

「へー。そうなんだ」


 違和感を感じた様子もなく、彼女は納得。


(・・・・強ぇぇ・・・)


 そんな彼女に、彼女達は改めてそう認識したのでした。


 そして、授業中。

 目を開けたまま眠っているネネコ。

 はそれをジッと見つめているよう。


「ねえ、花ちゃん」

「あっと、何?」


 さすがにそこは怖いよね、と花が引きつった顔でを見るが。


「最近は、眠る時目を開けて眠るの?なら、私もそうした方が良いのかな?」

「いやいやいやいや!ネネコさんのマネなんてしなくて良いんだからね!」

「そう?」


 不思議そうなに、ぶんぶん、と首を縦に振る花。

 あえてそんな彼女達の会話に触れない先生。


「ふ〜ん」


 肘を机において、手に顎を乗せてはやはりネネコを見つめる。


「あ、あの、まだ何かある?」

「ううん。ただ・・・」

「た、ただ?」


 きょどる花とは反対に、はにこりと口に弧を描いた。

 ふわり、とからあふれる、ふんわりとした雰囲気。

 別名、”癒しのオーラ”。


「佐藤さんて、可愛い人だね」

「・・・・ええぇ!?」

「え?何か変なこと言った?」

「う、ううん!」


 慌てて首を横に振る花に、そう?と微笑み、そのまままったりとした雰囲気を放ちながら、ネネコを見つめ続ける

 吉川が今にも飛び出しそうだが、その前に先生の手刀で何とか阻止。

 だって、なんとなくを邪魔してはいけない雰囲気があって。

 あまりにも幸せそうで。


(この人、さくらちゃんと同属だ・・・)


 思わずそんなに、全員がほわわん、としてしまった。

 その発言をまったくスルーして。




































「・・・・何をなさっているんですか?」

「あ、ご、ごめんなさい。佐藤さんが可愛くてっ」


 ネネコがふと目を覚ますと、何故か頭を撫でられていて。

 そのことを問えば、酷く申し訳なさそうにしょんぼりするものだから。


「・・・別に、かまいませんが」


 なんて思わず言ってしまい、周りを驚かせた。

 もっとも、その相手であるは嬉しそうな雰囲気を出して、改めてネネコの頭を撫で始め。

 その光景に、みんなほんわか。


「ねえ、さん」

「なぁに?」

さんの好きな動物って、何?」


 きょとん、と首を傾げるあやに、同じようにも首を傾げた。


「好きな、動物?」

「そう。何かなって思って」


 続けて泉も。

 周りで聞いている者たちもうんうん頷いていて。

 だって、猫好きだからネネコを可愛いと言ったのかと思ったから。

 ネネコも、それとなく戦闘態勢に。


 それに気づいた様子もなく、は。


「リス♪」

「・・・リス?」

「あ、他には、ハムスターとか、そういう系の小動物が大好き♪」


 顔を見合わせる花たち。

 顔を見合わせるクラスメイト達。


「小動物ですか」

「うん。すっごく可愛いの」


 嬉しそうな雰囲気に、ネネコは気づかれないように爪をしまい、花達はほわ〜ん、としてしまう。


(雰囲気が癒される・・・・)


 そういうわけで(どういうわけで?)、は初の癒し系キャラとして、2−Aのメンバーに加わったのだった。



















 ブラウザバックでお戻りください。



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送