【腕の中で】































 唐突ですが、ただいまピンチです。

 そりゃもう、強過ぎる攻撃に。

 そろそろ、身が持たず死んじゃうかもしれません。


 こんなことになるなら、なのh―――


「駄目だよ、私以外のこと考えちゃ」


 はははは、よくわかったね(汗


 今日はみんなでお出掛けの予定だったんだけど、フェイトさんから2人きりでいたい、なんて。

 ありえないくらい攻撃力の高い一撃をくらいまして。

 ライフが当然の如くゼロな私   は、フェイトさんといることとなり。


 で、そのフェイトさんに抱きしめられて、ライフ回復の機会もなく幸せ?という名の攻撃を受けているわけです。


 もちろん、嫌じゃないよ?

 死にそうなだけで。


 ・・・・ところで。


「フェイトさん?」

「”さん”はいらない」

「・・・フェイト」

「なに?」


 満面の笑みを浮かべているだろう、フェイトの声。

 それを見ることはできない。


 気がつけば私は、うつ伏せで床に倒されていたから。


 凄いね、魔法(?)

 やるね、フェイト。


「とりあえず、背中からどいてくれません?」

「なんで?」

「いや、何でって(汗 」


 この天然娘、実は確信犯ではないだろうか。

 ・・・確実に違うな。

 いうなれば、本能だ、この子は。


 だからこそ、恐ろしいんです(涙


「っ!?ちょっちょっちょぉぉ!?服を脱がそうとしないで!!」


 聞いてる!?

 聞いてますか?コンチクショウ!

 鼻歌歌ってんな!


 後ろからTシャツを押し上げられて、もはやポロリ♪どころではありません!


「ちょっ!ブラのホック外そうとしな―――!!」


 残念!

 遅かった!(泣


 ――― チュッ


「っ!」


 何度も何度も、吸いつかれる背中。

 粟立つ、素肌。

 震える体。


 ええ、感じてますが何か!?(自棄

 だって恋人だもん!!


 だがしかし!


「フェイトフェイト!うちらまだ中学生中学生!」

「大丈夫だよ。ミッドチルダは平均就職年齢が低いのに比例して、こういうことも若いうちに済ませる人が多いらしいし」


 何が大丈夫なのかわからん!!

 第一、私はミッドっ子ではないのです!

 平凡(?)な執務官補佐なのですよ!!


「それとも、私とこういうことするの嫌?」


 ・・・わぁ、反則。

 恋人として、嫌って言えなくない?

 ましてや、こういう行為が何度目かわからないこの状況で。


 抵抗してた理由?

 ・・・なんだか、キラキラ眩しい同年代と一緒にいると、なんだかやるせなくて・・・。

 はやてといるとそうでもないんだけど。

 あの子もちょっと普通じゃないし。


「・・・嫌じゃない」

「嬉しい」


 背中に抱きついてくるフェイト。

 すでに彼女も服を脱いでいるらしいことがわかる。


 まあ、フェイトは肌のふれあいが好きらしいから、いつものことだけどさ。


「大好き、

「うん、私も」


 囁かれる言葉。

 私もそれに返して、体から力を抜いた。

























<フェイト 視点>


 震えるの身体を抱きしめて。

 額に、口付けた。


 無理させすぎちゃったかな?


 苦しそうな息遣いに、そう思う。

 本当はもっとの乱れる姿みたいけど、今日はもう我慢。


 一緒に気持ちよくなるのも好きだけど、のいつもとは違う姿を見るのも好き。


 泣き顔。

 赤い頬。

 高い声。

 震える体。


 全部好き。

 いつも、もっと、もっとって、そう思う。


 もっと、甘い声で私の名前を呼んでほしいって。


「大丈夫?」

「そこ、そ、こ・・・」


 まだ苦しそう。

 無理させちゃったね。


 ギュッと抱きしめて、の綺麗な顔にキスをして。

 汗に張り付いた髪を避けてやりながら。

 が落ち着くのを待った。


 5分後。


「落ち着いた?」

「まあね」


 恥ずかしいのか、顔を背ける

 けど、私は赤くなった彼女の顔を見るのが好きだから。

 の両頬をおさえて。


「可愛いね、は」

「はーーー。このたらしめ」

「え?た、たらし?」


 予想外の言葉。

 それに驚く私へ、は呆れ顔だったのを意地悪そうな笑みに変えて向けてきた。

 それだけじゃなくて、私の頬をつんつん突っついてくる。


「あれ、気づいてなかったの?」


 けど、そんな彼女の笑みも綺麗。

 そう思うのは、恋人だからかな?


「まあ良いや」


 それもすぐに消えて、私に抱きついてきてくれた。


 しっとりとしたの肌が気持ち良い。

 素肌で抱き合うのは好き。

 隙間なく抱き合うのが好き。

 お互いの鼓動が感じられるから。


 だから、もっとくっつこう?















 あとがき。


 偽者過ぎてごめんなさい。










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