【約束】
「卯ノ花隊長?」
「あら、」
「あ、良かった。いたんですね」
嬉しそうに駆け寄ってきた少女に、烈はくすりと笑った。
手を上げ、短い癖っ毛の髪を優しく撫で、口を開いた。
少女の名前は 。
十一番隊に所属している、小柄な少女である。
「どうなさったのですか?」
「実は、怪我をしてしまって」
はそう言って、右腕を示した。
そこには結構深めの裂けた傷があった。
「・・・・・こちらにどうぞ」
「う、卯ノ花隊長?」
一瞬だけ寄った眉。
はそれに気付き、小さく肩を震わせて烈を見上げた。
しかし烈はそれに答えず、の怪我をしていない腕を引いて部屋を出て歩き始める。
そのあいだ無言で、は俯いたままその後をついていった。
ついた部屋は、薬の臭いが漂う寝台等のある部屋。
烈はその中にある一つの寝台に、を促す。
「そこにお座りください」
「あ、あの、卯ノ花隊長?」
「なんですか?」
微笑み、体を強張らせながらも素直に座ったに問い返す。
けれど、いつもの柔らかな雰囲気はなく、あるのは硬いもの。
は無意識のうちに縋るように烈の装束を掴み、見上げた。
それは、本人が意識などしていない、上目遣いで。
烈はそんなの頬に手を伸ばしかけ、けれど腕へと移した。
「怒って、ます、よね・・・・?」
「以前した約束を、あなたは覚えておいでですか?」
「あ・・・・。はい、無理はしないように・・・・」
「そうです。1度は許しましょう。2度目も、我慢しましょう。ですがあなたは、今月に入ってすでに3度も怪我をしました」
「け、けどそれは!護るためで!」
「それが許せないのです。何故あなたが、新人を庇って怪我をしなければいけないのです?」
「な、仲間、だから・・・・」
俯いてしまうの腕を治療しながら、烈は微笑みの消えた顔で腕を見つめた。
「今、あなたにどんな噂が流れているか、教えてさしあげましょうか?」
そう言うと、は肩を震わせた。
そのわけは、本人も知っているから。
「人の顔色ばかりをみている、新人にさえ気を遣う駄目死神」
「知って、ます・・・」
「なら、何故それを続けるのですか?」
「・・・・・・・」
無言の。
けれど、傷を包帯の上から酷く優しい手で撫でられ、弾かれるように顔を上げた。
その瞬間、唇をふさがれてしまう。
「んぅ・・・っ」
「知らないようですから教えてさしあげます。私は、嫉妬深く、独占欲が強いんです」
「は・・・卯ノ花隊長・・・・」
頬を撫でる手には自らの手を重ね、烈の装束を掴む。
「に護られてもなお怪我をしてくるような輩は、斬魄刀で斬って捨ててしまいたいほどに」
「卯ノ花隊長・・・・・」
「四番隊の隊長として失格であることは理解しています。ですが、私にはそんなこと関係ないんですよ、」
降りてきた優しいキスを受け止め、は烈の背中に腕を回した。
腕の痛みなど、忘れたかのように。
烈もそれに返すように、強く抱き締め返す。
「あなたが無事ならば、それで良い」
の華奢な肩に顔をうずめ、護るように、叱るように、抱き締め続けた。
「あなたが怪我をしてくる度、私の胸は張り裂けそうになるのです」
「・・・・ごめんなさい・・・」
「ですから、無理はしないでください」
「・・・はい・・・」
「約束ですよ?今度破ったりすれば、外に出られないよう閉じ込めてしまいますからね?」
「守ります。絶対」
2人は離れ、口付けをかわした。
あとがき。
卯ノ花隊長の甘夢の要望があり、書いてみました。
甘くなんて、全然ないけど。
とりあえず、もう、これで勘弁してください(は?
日記にも書いてはありますが、実際にコミックで見たことないんです、隊長。
というか、知っているのは6巻くらいまでなので、主人公側しか知らないんですよ。
それも、所持しているわけでもないし。
後は、他サイトさまで読ませていただいただけで、まったくわからない。
なので、読ませていただいてこんな感じかな?というアバウトな感じで・・・・。
こんなの、隊長じゃない!という方が何人かいらっしゃれば、即刻消しますので(汗
ブラウザバックでお戻り下さい。
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