「そろそろ、本来の姿に戻ってくれないか?」
「せっかちだね、真名は」
真名は、というが刹那も期待の眼差しではやてを見ている。
はやてはそれに気づき、苦笑。
そのまま、自らの首に巻いているバンダナをするりと外した。
途端、小さな体を包み込む光り。
人型の光りは静かに上に伸び。
「・・・ふぅ。この姿に戻るのは、久しぶりかな」
光りがはじけたそこには、細身の美少女へと変貌したはやてがいた。
栗色の髪は腰まで届き。
パッチリとした瞳は幾分か細くなり、どこか鋭さを宿して。
見上げなければいけなかった刹那を、反対に見下ろすくらいの長身。
凹凸のなかった身体は、モデルのようなスレンダーな体躯に。
髪同様アホ毛も伸び、それは前ではなく後ろに流していて。
そんな彼女の、バンダナによって隠されていた喉元には、何かの刺青が彫られていた。
【急な告白?】
「いつ見ても、その変貌ぶりにはビックリするよ」
「龍宮の言うとおりだな。いつも、その姿でいれば良いのに」
「そうもいかないよ。私が魔法剣士だって、凪たちは知らないからね」
「不思議なものだな。双子なのに、魔力の有無が異なるとは」
「凪の分の魔力も、奪ってしまったのかもしれないね」
真名に肩をすくめて返し、今まで着ていた制服に手をかけた。
「うわッ!!何をしているんだ、疾風!!」
「なにって、刹那はこんなつんつるてんの服を着たままでいろって言うの?」
「だっ、だからって、そんな堂々と着替える必要ないだろう!!」
耳まで真っ赤にして、刹那ははやてに背を向け。
反対に真名は、まるで舐めるようにはやてを下から上へと眺めた。
「素晴らしい光景じゃないか、刹那。もったいないぞ?」
「ももももったいないとはなんだ!!」
勢いで振り返ろうとして、視界にはやての姿が目に入った瞬間、焦ったように再び身体の向きを戻す刹那。
そんな刹那にはやては首を傾げる。
「一緒にお風呂にはいったりしたじゃない」
「いつの話しだ!!」
「そんなに昔でもないでしょう?」
「少なくとも、4年はたっている!!」
「無駄だ、刹那。この超がつくほど鈍感な娘に、そんなこと言って伝わるはずがない」
くっと笑う真名に、はやては眉を若干寄せて。
「なんだか、心外なことを言われた気分だよ」
「なに、気にするな。それより、脱がないのなら私が手伝うが?」
「そう?じゃあ、お願いしようかな」
「んなっ!?何をいっているんだ、2人して!!も、もう少し慎みというものをだな―――!」
刹那の声の泣き悲鳴。
彼女が振り返って見たものは、すでに真名によって上着を脱がされ、キャミソールだけとなったはやての姿。
そのキャミソールも、大きさが合わず体の線が浮き出ており、はやての身体の凹凸が一発でわかる。
刹那から見ればかなり卑猥な姿。
いや、真名から見てもそうなのだろう、彼女の頬がかすかに赤い。
それでも、真名ははやてを脱がそうとする手を止めはしないが。
「もしかして、この下は?」
「うん、つけていないよ。あの身体に、ブラは必要ないからね」
なんでもないことのように告げたはやて。
だが、それを聞いた刹那は、反射的に胸を注視してしまい。
「♀@≧£$♂℃§★っ!!!!」
ある部分を認識した途端、なにやらわけのわからない声をあげて後ろに倒れてしまった。
「あ・・・」
「くく・・・っ」
それを助けることもせず、見守ってしまったはやて。
口に手をあてて、そんな刹那に笑いをかみ殺す真名。
「・・・初めて会った頃に比べると、ずいぶん忙しい子になったね、刹那は」
「その頃のことは知らないが、そうだろうな」
「やっぱり、真名は何か知っているんだね」
「そうだな・・・」
楽しそうな笑みを浮かべながら言ってもいいものかを思案するように顎に手をあて。
急に何か思いついたようににやりと笑うと、真名ははやての顎に指を当てた。
「真――」
重なっていたのはどれほどか。
そんなに長い間ではないだろうが。
それでも、はやてが理解するくらいの時間は重なっていたはず。
「・・・真名?」
「こういうことさ。刹那は、カマイタチを好きだからこそ、そんな相手のこの姿に気絶してしまったんだ」
「・・・マジかな?」
「マジだとも。ちなみに私は刹那と違って、好きな相手はもっと脱がせて、むしろいっそ肌さえも重ねてしまいたい、と思うタイプだ」
言葉にすると、ずいぶん真逆なコンビである。
「だから、私はここで止めようとは思わないからな?第一、1年半ぶりの再会だ。心は当然盛り上がり、歯止めが効かない」
「あなたは確か、まだ中3だったはずだよね?」
「ああ。そしてカマイタチ、君は確か中1だったな」
お互いに、青年保護法に引っかかりまくりだ。
もっとも、それ以上に重罪である、銃刀法違反を無視しまくっている2人には関係ないことかもしれないが。
「そんな子供を、あなたは抱こうと?」
「君の姿を見て、子供だと思うものはいないさ。それに、あと2年すれば、同じ歳だ」
聞く気無し。
もしかしたら、彼女の中ではやてを抱くことはすでに決定事項だったのかもしれない。
聞けば、少なくとも1年以上前からはやてを想っていたようだし。
「刹那はどうするつもりなのかな?」
「そのうち気がついて、参加してくるさ」
「初めてで複数というのは、いささか気分が乗らないんだけどね」
「くっ。そんなこと言えるのも、今のうちだけだ」
にやりと笑い、真名は自分よりも幾ばくか小さなはやての体を抱き上げ、自分がいつも使っているベッドにおろした。
「刹那?あなたは慎みを、と言ったけど、あなたこそ慎みを持つべきじゃなかったのかな?」
「す、すまない・・・っ」
暗い影を背負った刹那。
「確かに、手馴れていたな。もしやすでに相手が?」
「なっ!?バカなことを言うな!私は、疾風一筋だ!!」
「あまり、そういうことを大声で言わないでね?」
「あ・・・っ」
はやてに注意を受けて、刹那は顔を赤くしてうつむいてしまう。
そのまま、目だけはやてへと向けて。
「い、今さらかもしれないが、これだけは言わせてほしい」
「なに?」
「その・・・わ、私は、疾風が好きだっ」
「本当に今さらだな」
「だまれ龍宮!」
真っ赤に顔を赤くしたまま、刹那は恥ずかしさを隠すためだろう、真名を睨みつけ。
刹那と反対に、シーツで肌を隠すことなく真名はにやりと笑って受け流す。
それを見ながら、はやては苦笑を浮かべている。
「とりあえず、私はあなた達との関係を壊すつもりはないよ」
その言葉に2人とも反応し、はやてを見つめた。
「それは、私たち告白を断る、ということか?」
「そうとも言えるけど、違うとも言えるね」
「どういう意味だ?疾風」
「私にとって、あなた達は親友で大切な人なの。だから、どちらかの告白を受けるわけにも、断るわけにもいかない」
ふと、真名が何かを考えるように視線を中に移し。
「ならば、私たち2人とも受け入れる、ということかい?」
「ん?・・・・あなた達がそれでもいいなら、私はかまわないよ?」
にっこりと笑顔。
それは挑発しているかのようで。
先ほどの、背伸びをする子供のような笑顔とと同じ表情のはずなのに、姿が姿だからだろう、どこか妖艶で。
刹那と真名は、顔を見合わせて笑った。
「私はかまわないが、刹那はどうだ?」
「私も、疾風と共にいられるのなら、それでかまわない」
「決定だな」
「本気なの?」
さすがに、はやてもあっさりと頷くとは思っていなかったのだろう。
少し驚いたように目を見張って2人を見ている。
「ああ」
異口同音に返ってきた返事。
はやてはそれに笑い。
「・・・わかったよ。それじゃあ、これからよろしくね。私の恋人さん達」
綺麗な笑顔に見惚れながら、2人は一人ずつはやてにキスをした。
あとがき。
何がしたかったのか、と問われると、ただチビなはやてじゃなくておっきなはやての話しを書きたかったから?
初めは、大人になったはやてが、細身の長身の美女になったら面白いよな〜、と。
でも、普通に大人になった未来のはやブレを書くのもつまらないよな〜、と。
で、何故か本来の姿を隠したはやてで、はやブレ×ネギま!になったみたいです(みたいですって・・・
口調も大人っぽいというか、原作とは違う風にしたので、軽く真名とかぶった・・・。
しょうがないよ、だって、偽だもん★(ぉぃ
さりげなく、エヴァにアホ気を引っ張らせてみたいという願望もあったりなかったり・・・(呟
ブラウザバックでお戻りください。
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