【魔法使いは】
私は3歳の時、悪夢を体験した。
いつもと変わらない日常。
のんびりとした村。
それは、突如として襲ってきた悪魔たちの集団によって地獄へと変えられた。
私は必死に逃げながらお姉ちゃん達を探した。
何とか見つけて。
けど、逃げようとしたところを襲われて、お姉ちゃんに庇われ。
お姉ちゃんは足を石化されてしまった。
それをみて私の魔力が暴走してしまい。
それでも何とか抑えこんで。
気がつけば、私はベッドで眠っていた。
夢かと安堵して。
けど、天井が私の知っているものとは違うことに気がつき。
私は、慌てて身体を起こして見渡した。
いたのは、優しそうな人だった。
話しを聞くに、たまたま私の村近くを通りかかったとき、悪魔の軍団に気づいたのだという。
それでその人は驚いて悪魔達を倒し。
村の外れに、私とお姉ちゃんが倒れているのを発見したらしい。
それでその人は私が危険な状態だと判断して、自分の家につれてきてくれたと言っていた。
お姉ちゃんは手遅れだと思って、私だけを。
どれほど泣いただろう。
泣いて泣いて。
そんな私を、その人は謝りながら抱き閉めてくれた。
その人が悪いわけじゃないのに。
その人は、たまたま通りかかっただけなのに。
それから私は強くなるためにその人から魔法を習った。
体術を習った。
強く強く。
もう、誰も失わないために。
もう、誰も傷つかせないために。
私は彼をマスターと呼び。
尊敬していた。
憧れた。
信頼していた。
たとえマスターがヴァンパイアだろうと、私には関係なかった。
私にとって、マスターが全てだった。
何もかもを失った私にとって、マスターだけが。
けどそんなマスターとの楽しい日々は、また奪われた。
やって来たのは魔法使い。
彼らは10人以上いて、化け物とマスターを罵り。
それだけでは飽き足らず、マスターと私は引き離され。
彼を、殺した。
彼らは歓声を上げ。
怖かっただろうとずいぶん見当違いなことを私にのたまった。
私は、自分の力のなさに絶望した。
弱いばかりに。
私は、またしても大切な者を奪われた。
私はその日、弱い”私”を捨てて”僕”になった。
そして、悪魔を。
それ以上に魔法使いを。
憎むようになった。
私にとって彼らは。
私の”唯一”を殺し、喜び笑う彼らは。
ただの、”化け物”でしかなかった。
我武者羅に。
寝る間さえ削り、鍛え続けてきた数年間。
強くなるためなら、なんでもした。
骨が折れようが、怪我をしようが。
血を吐いたことさえある。
それでも僕は、止まらなかった。
止まれなかった。
だって僕は、憎むべき魔法使い(化け物)になってでも、強くならなくてはいけないから。
強制的入れられた魔法学校。
強くなるためだと、ムリヤリ納得して。
主席として、僕は卒業する。
理由はただ一つ。
魔法使い(化け物)ばかりのこの学校から、一分一秒でも早くいなくなりたいから。
卒業課題。
一般人に自分が魔法使い(化け物)だとバレないように生活する。
それに、不満なんてない。
むしろここから出られて、さらに周りには魔法使いたちがいないのだ。
これほど嬉しいことはない。
ただ、不安なことはある。
僕が”英雄”の娘であり、特別視されているという事実。
煩わしいことこの上ないことだけど、それはどうしようもないことで。
とても、嫌な予感がする。
「ネギネギ!あんたはなんて書いてあったの?私ははロンドンで占い師よ」
「修行の地はどこだったの?」
その問いかけに、僕は振り返った。
アーニャの後ろには、あの日、マスターから助からないだろうと聞かされた、姉さんがいる。
どうやら僕がマスターに助けられた直後、ナギ・スプリングフィールドが現れて姉さんの石化を止めてくれたらしい。
この2人は、憎んでいる魔法使いの中での例外。
ちなみにその時、姉さんはナギから、僕に渡すように頼まれた杖を渡されたという。
その杖はどこかというと、どこかに失くした。
会ったこともない父親(他人)から与えられた杖なんて、使う気はない。
僕が使うのは、マスターから貰った杖だけだ。
「今浮かび上がってくるところ」
卒業証書を見ると、アーニャと姉さんが両側から覗き込んでくる。
僕は気にせずそれを見つめ。
「・・・日本で、先生をすること。らしいよ」
2人の大きな声が響き渡った。
そのあと、姉さん達は校長に抗議をして。
2人して、不安そうな顔で。
けど僕は、聞き逃さなかった。
その学園の学園長が、校長の友人だということを。
魔法使いの友人は、魔法使い。
嫌な予感は、あたった。
あとがき。
このネギは、かなり歪んでいますし、理不尽なほどにアンチ魔法使いです(汗
ブラウザバックでお戻りください。
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