【彼女を支えられたらと、思うわけで】
「ねえ、巳星ちゃん」
「なに?」
「えっと・・・」
まるで聞いて良いのか悩むような、すずかの仕草。
アリサやなのはも、なんだか似たような表情で。
だから、すぐに思い当たって。
けど、そんなにわかりやすいかと、苦笑をこぼした。
「あの・・・何か、あった?」
「そんなに、わかりやすいかな?」
「あっ、そういうわけじゃないんだけど、なんか元気ないように見えたから!」
何故、慌てる?
すずかの反応に内心首をかしげ、アリサとなのへと目を向ける。
2人も、何故か不思議な反応をしていた。
そんな辺りをきょろきょろしたって、何も真新しいものなんてないと思うけど。
今日もいつもと変わらず、元気いっぱいなチマイ同級生達がいっぱいですよ?
「(悲しそうな顔なのにっ、なんか綺麗度増してるのっ!///)」
「(慰めるべきなのに、直視できないじゃないっ!///)」
「(巳星ちゃんって、本当に美人だよ・・・///)」
?
「3人とも?」
「ひゃっ!」
ひゃって、すずかさん?
「どうかした?」
「う、ううん。なんでもないよ!」
「そ、それで、巳星ちゃんどうかしたのっ?」
「そ、そうよ。私たちに隠し事はなしよ!」
なんか焦った様子の3人にやはり首を傾げるも、気にしないことにする。
聞いても答えてくれないことくらい、今までの経験上わかってましてよ?
わたくしも、無駄に歳をとったわけではなくってよ?
おほほ♪
と、この世界じゃ絶対にわからない人のマネをしてみる。
心の中で。
だって、絶対わかんないし。
言っても、ヤバイ人をみる目で見られること必須ですし?
「いや、なんていうか。・・・仲良くなりたい、と思った子に怒鳴っちゃって」
「「「・・・・・・・・・」」」
?
無言なんですが???
「もしも―――」
「「「怒鳴ったぁぁ!!!???」」」
「うおっ」
こ、声、大きいですがなっ。
「巳星ちゃんが、怒鳴ったの!?」
「う、うん。そんなに驚くこと?」
「驚くに決まってるじゃない!」
「決まってるのか?」
「だ、だって、巳星ちゃんって、怒っても声荒げないタイプに見えるから」
「そうかな?」
なのは、アリサ、すずかに答えながら、今度はリアルでも首を傾げた。
それに返ってきたのは、3人同時の頷き。
それも、強く。
そんな一糸乱れぬ動きを見されられても・・・(汗
えっと、とりあえず素晴らしい動きに拍手(パチパチ
「って、仲良くなりたい子に怒鳴ってどうすんのよ!?」
今さらそこに突っ込むかよ!
「まあ、その子の発言がちょっとわたしの琴線に触れまして」
「どんなこと言われたの?」
なのはに聞かれ、はたと困る。
この子の敵じゃん。
いや、今さらだけどね?
ということなので、わかりづら〜い表現で。
アバウト〜、に言おうと思います。
頑張れみほっしー(棒読み
「その子、あんまりご飯食べないみたいでさ?それで、ご飯作って持っていったわけなんですが」
「「「ふんふん」」」
「まあ、わたしもお節介かな?とか思ってはいたけど」
「「「けど?」」」
「その子に、”同情?”とか”私が可哀想だから?だから、こうして恵んでるつもり?”とか言われてさ」
なのはのことも、悪く言われましたし?
「・・・なによ、それ!!」
ハイ噴火。
アリサ山、今日も元気にマグマ活動中です♪(投げやり
「あんた、何でそんな奴と友達になりたいのよ!!」
「それは、少し酷いと思うな・・・」
「酷いの・・・」
未来で、あなた方もお友達ですよ★
特に内1人は、原作からすでに、君らデキてんじゃね? なんて感想抱いちゃうくらいの仲良しですから★
「いや、まあ、わかってるんだけどね」
「「「 え? 」」」
「彼女が、本心で言ったんじゃない、ってことは」
「「「 ??? 」」」
3人そろってそんな”理解できない”的な顔しなくても(汗
「あの子はね、傷つきたくないんだよ」
「傷つきたくない?」
「そう。環境が環境だからかな?あの子にとって見れば、周りは(アルフとプレシア?以外)全て敵なんだと思う」
「敵・・・」
すずかの言葉と、なのはの呟きに頷く。
「うん。だから、信じたくても、信じて裏切られるのは怖いし、傷つきたくない。だからこそ、わたしのやったことが同情?なんて、自分で傷つかない答えを探して、牽制して遠のかせようとした」
幼い心は、たやすく傷ついてしまうから。
鎧をまとう方法を知らなければ、その痛みが直接心に皹を入れるてしまうから。
「誰だって、悲しい思いはしたくない。だからそれは、ある意味当然のことなんだ」
「わたしは、それを理解してる。わかってる。知ってる。でも・・・」
でもさ。
「なんでもかんでも、敵視するのは、悲しいんだ。なんでもかんでも疑ってかかるのは、苦しいよ」
「「巳星ちゃん・・・」」
「巳星・・・」
「ただ、純粋に近づきたいって、思っちゃダメかな?損得とか、そんな下らないこと全部後回しで、笑ってほしいって、そう思っちゃいけない?」
今にも泣き出してしまいそうな瞳を、見ていたくないって思うのは、ダメなことかな?
笑う顔を見てみたいって、思うのはダメこと事かな?
「それに、諦めちゃ、だめだと思うんだ。それじゃあ、結局そこに留まったままで、一歩もすすめない」
「未来を歩きたいと思うなら、怖くても一歩踏み出さないと」
そう思ってしまうのは、自分が過去を経験したから?
自分が、乗り越えてしまったから?
でも別に、乗り越えるのに1人である必要なんてなくて。
わたしみたいに、色々な人に手伝ってもらいながらでも、乗り越えたらそれは、未来への一歩だと思うから。
「だから、わたしは諦めようとしてるあの子を、笑顔にさせることを諦めない」
絶対、可愛いんだ。
こうしてリアルで見るフェイト嬢の笑顔は、ブラウン管を通して見るよりも、絶対に可愛いと思うんだ。
「・・・と思いつつ、怒鳴ってしまったために自己嫌悪中だったわけです」
「長い前ふりね(さりげなく、涙拭い」
自分でも思ってるから突っ込まないで・・・(泣
「なんて怒鳴ったの?」
「え?あ、っと確か・・・」
すずかがなんか涙ためてて、そっちに意識が集中して一瞬返答が遅れた。
わたし、泣いちゃうようなこと言いました!?
ごめんなさい!?(とりあえず謝罪
「なんで同情とか、そんな俗物的なことしか考えられないんだー、とか、わたしが君達と近づきたいって、どうしてそういう風に思ってくれないんだー、不安に思ったり心配したり、危惧しちゃダメかー、とか?」
「「「 近づきたい・・・ 」」」
いやいや、何故そこでそろって赤くなる!?
っていうか、なぜあえて、そこを抜粋するか!
それも、3人してさぁ!
それはさりげなく、素面で思うと恥ずかしいこと言っちゃったよねー、わたし。
とか思ってるわたしへの当て付けですかーーー!!?
【もちろんです】
「(だから、急に話しに入ってくんなっつっとろーが!)」
「(そんでもって、この間八つ当たりしちゃってゴメンナサイでしたね!(日本語変 )」
【・・・ふふっ】
え!?
インテリジェンスデバイスって、笑うんだっけ!?
や、インテリとレイジングハートたちを一緒にするのは間違ってるってわかってるけどさ!
どうでもいいけど、インテリの意外と柔らかい笑い声にさりげなく喜んでるわたしって、なんてハズイ子!!
【体温が上昇しているようですが?】
うっさいわボケ!
「ま、まあ、とりあえず、あんまり心配することでもないから。わたしは諦める気ないし」
【はい、それではプロテクト解除、と】
うわ、プロテクト解除されたのは嬉しいけど、なんかおざなりー!
さらに、本当になにで解除されるかわかんねー!
「・・・応援してるね、巳星ちゃん」
「ま、まあ、何か言われたら、また聞いてやるわよ」
「お、お互いに頑張るの、巳星ちゃん!」
「ありがとう、すずか、アリサ、なのは」
聞いてもらえるだけでも、この鬱々と溜まったモノはスッキリする。
だから、わたしはちゃんと感謝をこめて返した。
「「「( わ、笑った・・・!!/// )」」」
「?顔赤いよ?」
「「「なんでもない(わよ)!!」」」
まあ、3人がそう言うなら良いけど。
・・・なんか、山百合メンバーズとも、繰り返したやり取りだわ、これ。
「・・・諦めちゃ駄目、か・・・」
「ん?すずか、何か言った?」
「あ、なんでもないよ!気にしないで♪」
さらうすずかのその顔は、なぜか嬉しそうな。
スッキリとした笑顔だった。
ブラウザバックでお戻りください。
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