【これからあなたのことは、”ご主人様”と呼ばせていただきます】

「(キモイ)」


 忘れてた、的な音調で告げられたその内容を、わたしはスッパリと斬る。

 それ以前に、そんな呼び方をする柄か?インテリ。


【ふぅ・・・では”ご主人様♪”と】

「(キモイ)」


 記号つけただけだろーが!

 弾むように言い換えただけだろーが!


 何その、しょうがないですね、的な音調!


【あなたは我儘ですね】

「(いや、決して違う)」


 それは我儘じゃない。

 確実に違う。


 だいたい、やることが薔薇’sと似てるんだよ!

 反応とかさ!

 特に、江利子あたりにね!


【おや、キャラが被っていましたか?】

「(うん)」


 っていうかさ、キャラが被るって、どこで知ったのそんな言葉!

 普通のインテリジェンスデバイスは言わないよ!?

 少なくとも、レイジングハートは言わないね!

 バルディッシュも言わないと思うし。


【個性があって良いでしょう?】

「(強すぎだから)」

【・・・・・・】


 無視かよ!

 どんだけ個性強いんだよ!



































【お姉さんはとっても不安です】































 どっかのインテリさんと、さりげなく交流を深めつつ。

 さりげなく溝をつくりつつ、生活しています須加巳星です、こんにちは。


 今日は須加さん、八神さんちに来ております。


「なぁなぁ、巳星ちゃん」

「なに?」

「あんな?」

「うん」

「その、な?」

「うん」


 はよ言わんかい。


「・・・う、うちが今、何しとるかわかっとる?」


 伺うように問われ、わたしは首をかしげてはやてを見た。


 はやてにされていること?


 思いつくのは、胸に手を置かれていることくらいだ。

 確か、胸をもんだりするのが大好きな、子供らしからぬ癖を持っているはやて。


「・・・大人になってそれやってたら、逮捕されるから気をつけてね?」

「ちゃうやろ!?ここは、止めてよ〜!とか言うんが普通やろ!?」


 ・・・・・・・。


「・・・・止めてよー」

「棒読みすぎや、巳星ちゃん!!」


 ご要望に応えてあげたというのに。

 何が不満?

 聖たちやはやては我儘だね(ため息


 口調が扁平とか、さすがにそれは高望みしすぎだぞ★


「巳星ちゃんの恥ずかしがる姿がみたいんや!!」


 お前は、どこの萌えキャラを追及するオタクだ。


「わたしにそれを求められてもね。第一、9歳に、胸を触られて恥らえといわれても困る」

「巳星ちゃんは、誰にもまれても恥ずかしいと思わんのんか!?」

「人によっては、対応は変わるだろうけど・・・」

「それや!どんな反応するん!?」


 う〜ん・・・。


「例えば、知らない人に触られたら”キモイ”って返すと思うけど」

「・・・うち、巳星ちゃんと友達で良かったわ・・・」


 そんなこと言われたら、生きていけん、って・・・。

 いや、普通じゃない?

 悲鳴とかあげる以前に、手が飛ぶと思うし。

 それか足?


 まあ、さすがに手加減はするけど。

 多分?


「あくまで、知らないおじさんとかには、だけどね」

「やったら、子供やったらええんや?」

「男だったら、かなり手加減をほどこしてやって殴る」

「・・・・・巳星ちゃん、漢やな」


 え、それはなのはの形容詞でしょ。

 アレほど漢らしい子はいないと思うけど。


 俺の前に立つんじゃねぇ!!的な?


「まあ、脂肪の塊を触りたい、というはやての心意気はちょっとばかし理解ができないけど」

「脂肪の塊て」

「事実だし」


 ・・・まあ、好きな人の胸には触りたい、とは思いますが?

 一応、恋人とか居た身ですし?

 ましてや、18禁まっしぐらなこともしていましたし?


 ・・・なんか、この外見でそれ言うと、凄い小さい頃からすでにエロい子みたいだ・・・(凹


「ん〜、巳星ちゃんはこの淡々としたところがええんやけど、もっと感情をさらしてほしいわ〜」

「そんな残念そうに言われても」

「ん。わかった!」


 何が?


「うち、巳星ちゃんをいつか辱めてみせる!」

「・・・うわ、犯罪者予備軍が居る」


 怖いわ〜、この子・・・。

 軽く引くんですけど〜・・・。


 実質的には1メートルくらい。

 精神的には軽く1キロは距離をとった。


「あ!ちゃうちゃう!そない離れんといて!今のは、言い方が悪かったわ!」


 どんな言い方しても、ねぇ?

 将来、犯罪者になるだろうことは変わらないわけで。


「ちゃうねん!え、えっとな?巳星ちゃんて基本、感情を表には出さん子やろ?元々、性格が淡白っちゅー可能性もあるけど」

「(うちを抱きしめてくれたときとか、ものごっつ優しいしな///)」


 ?

 なんか、はやての顔が赤い?


「と、とにかく!色々な、巳星ちゃんが見たいんや!笑った顔とか、怒った顔とか、泣いた顔とか、嬉しそうな顔とかな!」

「それが何で辱める、に繋がるんだか不明なんですが」

【まあ、気持ちはわかりますが】


 わかるのかよ!

 っていうか、急に発言したと思ったらそれ!?

 なにお前!


「そ、それは、言葉が間違っただけやって!ただ、いつか巳星ちゃんの恥ずかしそうな顔とか、見てみたいと思うただけなんよ!」

「はいはい、わかったから」

「ちょっ!絶対わかっとらんやろ!」

「いやいや、全然伝わりましたよ?」

「目ー、見て言ってや!!」

「それは無理」


 と、思わず素直に。


 はやてはガーン、と擬音が聞こえそうなほどにショックを受けてしまった様子。

 記号で表すなら「 orz 」みたいな?


 車椅子で、器用な子・・・。


「あ、ほらほら、手をサボってると焦げちゃうよ」

「うわっ!」


 はやてを急かして、料理の手を再開させる。


 ・・・名残惜しそうに人の胸から手を離す君!

 一体、どんだけ胸好きキャラなんだよ!

 小3として、良いのか!?

 お姉さんは、君の将来がとっても不安です!

















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