――― ?


 よくわからない、真っ黒に塗りつぶされた空間。

 気がついたらわたしはそこにいた。


 ――― ここは・・・

『My Master』

 ――― ・・・・・・・・・・は?


 どこか機械的な。

 けど、意思を感じるその声。


『こちらです』


 聞こえてきたのは後ろ。

 慌てて振り向けば、そこには黒に濃い翠が混ざった一本の棒。


 否、それは杖だった。

 まるで、フェイトが使うような。

 そう、バルディッシュのような。


 ――― な・・・・

『単刀直入に言います。私はあなたのデバイスです』

 ――― いやいやちょっと待って!

『嫌です』


 いや、確かに待たれてもそれ自体に意味はないけど!

 そんなあっさり拒否しなくても!

 ってか、即答!?


『あなたは否定をなさるかもしれませんが、あなたには莫大な魔力があります』

 ―――  あー・・・なのはみたいな?

『はい』

 ――― ・・・それで?

『はい。ですが、私にはプロテクトがかかっており、現在、あなたが自由に使うことはできません』

 ――― あれま

『そしてそれは、あなた自身にもかかっているため、他のものがどう探ろうともあなたの魔力を感知することは出来ません』

 ――― 誰に?わたし自身がかけたとは思えない。


 少なくとも、この世界に来てそんな事柄をした覚えはない。


 ・・・?

 もしかして、リリアンにいた頃もその魔力とやらはあったのだろうか。


『それは、あなたに”愛”と呼ばれるモノを教えた者によって、です』


 その言葉に、身体はないのに目を見開いた気がした。

 だって、

 だって、そんな、まさか―――!


『それが誰か、とお答えする必要はないようですね』

 ――― ・・・そうだね。1人しか、思い当たらないから。


 わたしを初めて愛してくれた人。

 わたしが初めて愛した人。

 忘れられない人。

 忘れてはいけない人。


 ということは、ここにきたのも彼女が関わっているということ?


『ずいぶんと脅されました。あなたが私のせいで怪我をしたら、ぶっ壊してやる、と』

 ――― か、過激だね。

『あの時初めて、私は恐怖というものを知りました』

 ――― うぅん、そっか・・・(汗


 なにやってんの・・・(汗


 杖だけど、なんとなく彼女?が遠い目をしたような気がした。

 本当になにやってるの、あの人・・・(汗


『そういうわけですので、あなたはまだ私を使うことはできません』

 ――― それはわかったけど、何でこうして話しを?

『それはあなたが、第一段階のプロテクトを外したからです』

 ――― 第一段階?

『はい。数あるプロテクトが外れることによって、段々とあなたは私を思うままに扱うことが出来る』

 ――― そのプロテクトって?

『それは、お答えすることが出来ません。余計な雑念を入れ、これ以上プロテクトが解けなかったらどうするんですか』


 うわー。

 けっこう自我強ーい。


『今回は、初めのプロテクトが解けたので、挨拶にきただけです。では、これで』


 そんでもってアッサリー。


 今度は、黒が白に。

 闇が光りに塗りつぶされた。


 ああ、なんて目に悪い空間。







































【予想外の事実?】































 予想外な事実を突きつけられたような気がする・・・。


 ・・・・・・・・・・・。

 ま、いっか。

 今でも、あの人は私を見守っていてくれてる。

 それでいいじゃないか。


 ・・・いつか、あの人からもう安心だと、そう思ってもらえれば。


「さて、今日も頑張るかぁ」




 と意気込んでみたはいいものの、早くも挫折しそうな須加さんです。


「あの、なのはさん?」

「なに?巳星ちゃん」


 にっこり可愛い笑顔。

 ・・・けど、目が笑ってません。

 9歳でその笑みって、須加さんはなのはの将来がとっても心配です!

 すずかもだけど!


「・・・・なんでもない」


 さすが白い悪魔だね☆(現実逃避


「なのは、巳星を渡しなさい!」

「なんで?だってそっちにはすずかちゃんもアリサちゃんもいるんだよ?平等を規すなら、巳星ちゃんはこっちの班になるべきだと思うの」

「他にもスポーツ万能な子がいるじゃない!」

「2人にはかなわないもん」

「なのはちゃん、ワガママはだめだよ?」

「どっちが?」


 ――― バチバチバチバチ!!


 えー、今どんな状況かと言いますとですね。

 体育の時間で、子供らしくドッヂボールをすることになりまして。

 その班を、現在決めているわけでありまして。


 で、ただいま須加さんがなのはたち3人に取り合いされてるわけですよ。

 はは・・・お家帰りたい・・・。


 あー・・・すずかとなのはが怖い・・・。


 先生に、目で救助の要請!

 しかし、すぐに目をそらされた!

 なのはに抱きつかれている須加さんは、それ以上の行動は起こせない!


 クラスメイトに救助を求めてみた!

 しかし、誰も須加さんを見ていない!

 敵チームとすでに、何でか睨みあっている!


 須加さんは、精神的ダメージを300負った!


 たっけてー・・・。


「・・・巳星に聞けば良いのよ!」

「・・・そうだね。巳星ちゃんに聞いてみよっか」

「・・・巳星ちゃん、なのはたちのチームがいい?それとも・・・」


 えええ!!?

 この恐ろしいメンバーの矛先が、こっちに向かってきましたけど!?


「どっt、どっちってっ?」


 噛み噛みですやん!

 9歳のお子様達に気圧される18歳って何だよ!?

 ああ、でも志摩子が2人+由乃が迫ってきたら、そら怖いわ!


 この歳で志摩子と同じって、どんな子供だ君たち!?


「「「 さあ!どっち! 」」」

「先生に聴いてよそういう場合はさぁ!」


 ぎゅぅいん、と3人の視線が先生へと向けられる。

 ビクッと、肩をふるわせる先生。

 人のこと言えないけど、あなたいくつですか・・・。


「こここここの場合はっ、子供の自主性を重んじるべきであってっ、先生は関与しましぇん!」


 ”しましぇん”って・・・。

 どもりまくった上に噛んだよ、この人!

 そしてさり気に涙目ですけど!?


 つーか、授業始まって30分たってますが!?

 いっそ止めちゃえよ、ドッヂボールぅ!!


「「「 巳星(ちゃん)!! 」」」


 っチックショーーー!

 いいさ、やってやるさ!


「なのは、頑張ろう!」

「っうん!」


 なのはの笑顔に頷き返して。


「・・・あとで覚えてなさいよ、巳星!!」

「もう、巳星ちゃんたら★」


 あ〜あ〜。

 向こうで何か言ってるけど聞こえな〜い。

 聞こえないったら聞こえないんです。


【・・・ヘタレですね】


 聞こえてんだよ!

 このインテリっぽいジェンスのデバイスめ!

 今まで何も言ってこなかったくせに、ここぞとばかり発言しやがって!


【・・・ふっ】


 うわっ、鼻で笑ってきやがった!

 顔わかんないけど、絶対鼻で笑ったろ!?


【いえいえまさか】


 声が事務的な上に棒読みなんだよ!


【仕様です】


 嘘付けコラ!


 ああ、いけませんいけません。

 リリアン卒業生ともあろうこの私(わたくし)が、そのような汚い発言。

 淑女として、あってはなりませんわ、オホホホホホ・・・。


【今さらでは?】


 カッチーーン!!


「巳星ちゃん?」

「あ、なんでもない。ごめん。やろっか」


 そうだ。

 インテリなデバイスと話しをしている場合ではない。


「さあ、かかってきなさい!」

「なのはちゃん、全力で逝くよ?」

「なのはも全力全開です!」


 わぁー、超カオス・・・。


















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