「ちょっとそこのあんた!!」

「へ?」


 わたしか?

 そう思って顔をあげると、


「・・・ええぇ!!?」


 かの金髪少女が降ってくるところだった。


 シー○か!?

 ○ータなのか!?


 慌ててその少女を受け止めようと走り出すわたし。


 普通に落ちてる!?

 気絶してんの!?

 なんで!?


 あの不思議な力は感じないし、なのはもいないと思う!

 やっぱり何で!!?


「っと!!・・・セーフ」


 何とかキャッチ。

 それにしても、軽い軽い。


「ありがとよ!」


 そういって降りてきたのは、アルフ。

 人型の。


「・・・・・・」


 うん。

 耳、出てるけどね。





























【ホッ、拉致られなかった】































「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」


 沈黙。


 あの後、何でかわからないけどフェイトを彼女の住んでいる場所まで運んだわたし。

 アルフだけで大丈夫だったんじゃないか、と思わないでもないけど。

 それを言わなかったのは、アルフもふらふらしてたから。


 で、フェイトを寝かせたベッド横で、わたしとフェイトは身体をベッドに向けて座っていて。

 わたしは気分的に正座。

 アルフは胡座。


 ここに来てからすでに30分、誰も何も言わず静か。


 っていうかね、さっきから気になってたんだけど。


「この子、痩せた?」

「・・・食べたがらないんだよ」

「だからって、この歳でそれだと、成長しないよ?」

「何が言いたんだよ!」


 牙をむくアルフ。

 ちょっとそれに座りつつ後退しながら、聞いてみた。


 なんていうか、短気☆(軽く怯え


「あたしがなんか作ろうか?ってこと」

「は?」

「さっき通り過ぎたとき、ゴミ箱お弁当の箱ばっかりだったから。それだと栄養も偏るし、味が濃いから。たまに、それが嫌でご飯食べなくなる人いるみたいだから」

「・・・作れんの?」

「一応、自信はあるよ」

「・・・なら、頼むよ」

「了解」


 立ち上がろうとして、あと一つあったことを思い出す。


「そうだ」

「なんだい?」

「わたしが買い物から帰ってきてご飯作り終える間に、傷の治療しておいて」

「っ!?なんでわかった!!」


 一気に近づき、襟をつかんで壁に背中を押し付けられた。

 むしろ、叩きつけられた?

 でも、その動作はマリみてのときよりもよく見えて、なんだか変な気分。


「ごほっ・・・。血の臭いがしたの」

「血?」

「そ。わたし、血の臭いには敏感だから」


 手を離させて、床に下りる。


 ったくさ〜、こっちは子供だぞ?

 少しは手加減しろっての!

 ワンちゃん、って呼んじゃうぞ!


 殺される可能性があるから実際には言わないけど・・・。


「じゃ、任せた」


 さっさと買い物終えて、栄養あるもの作らないとね。


 一応、母さんに連絡しとこうかな。

 帰れないかも、って・・・(遠い目




















「・・・こんなもんかな」


 デミグラスハンバーグ、シーチキンサラダ、コンソメスープ等。

 子供が好みそうなものとか、食べられそうなものを揃えてみた。


 材料費?

 それは、父から渡された食事代から取ったよ?

 わたし、あの家の夕食当番だから。


 そこに、ちょうど良く現れたフェイトとアルフ。


「これ、あんたが作ったのかい?」

「まあね。嫌いなものとかわからないから、あったらよけてくれていいから」


 ポカンとしたフェイトとアルフ。

 そんな2人を椅子にすすめて。

 それに我に返ったらしいフェイトが、こちらを睨んできた。


「出ていって!」

「え?」


 良いの?

 帰って良いの?

 ・・・良かったぁ。

 アルフの姿見ちゃったから、監禁かなんかされるのかと思ってたよ。


「フェイト!?」

「出ていって!!」

「わかった」

「ちょっ、あんた!」

「それじゃあ、失礼しました」


 アルフに止められる前に退散。

 玄関を出てダッシュで逃亡。


 愛すべきは平凡な日々!

 今日は空から人が降ってきたけど、ちょっとソレからずれただけだって!

 無問題無問題!










「フェイト!何で追い返したのさ!」

「・・・巻き添いにさせるわけにはいかないから。それに、私はあのこの友達と敵対してるし」

「あ・・・」


 アルフはフェイトの思いを知り、うつむいた。

 そんな彼女の頭を撫でたあと、フェイトはテーブルへ。

 フェイトが初めて見る、美味しそうな料理たち。

 こんなに美味しそうな食べ物を、フェイトは初めて見た。


「アルフ、あの子が作ってくれたご飯、食べよう?」

「あ、そうだね!」


 にょき、と現れた尻尾が、嬉しそうに左右に揺られる。

 それに微笑み返し、フェイトは椅子に座った。

 アルフも習うように座る。


 そして、一口。


「・・・・美味しい・・・!!」

「・・・・こんな美味いの、初めてだよ!!」


 それは、とてもとても、美味しくて。

 とても暖かいご飯だった。















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