大きなお風呂、そこにわたしはいます。

 なぜなら、強制的にお風呂に入らされたから。

 まあ、わたしもさすがにあの状態のまま、あの服をずっと着てるのも嫌だったしね。


 だけどさ、何でこの人もいるんだろう?


「巳星さん、身体を洗いますね」

「いやいや、自分で出来るから!」


 とりあえずはまだガキンチョですし、胸を隠す必要もないので下だけにタオルを巻いて。

 頬を染めて迫り来るファリンさんから逃げています。


「いえ、私はメイドですから、ご遠慮せずに」


 遠慮とかじゃないから!

 気づいて!

 第一、この人の目、子供に向ける目じゃないんだよ!


「恥ずかしがらず、体を楽にしてください」


 できるか!

 そんな、野獣みたいな目をして!


 何故わかるかって?

 それはね、まさにお腹が減った野獣と戦ったことがあるから!


「さぁさぁ!」

「迫ってくんな!」


 この人蹴ってもいいですか!!

 駄目!?

 うそぉ〜ん!


 わたしたちは、お風呂で激闘を繰り返した。

 きっと、はたから見たらさぞマヌケだろう・・・(遠い目
































【大丈夫大丈夫、見えてないから】































 激闘の末、何とか逃げ延びたわたし。

 用意してあったYシャツと、自分のものであるジーパンをはいて脱衣場から逃走。


 下着?

 下はつけたけど、上はつけてないよ!

 これくらいの胸に、あんなもんいらん!

 それよりも、身の安全だぁぁぁ!!


「はぁ・・・なに、この家・・・!」


 つか、なにあのメイド!

 もう泣きそうだよ!

 普通の子供なら、軽くトラウマだよ!?

 わたしで良かったね!


 全然良くないけどね!!


 とりあえず走り、ファリンさんから逃げる。

 その先、最近感じるようになった、見知った力?魔力?を感じて。


「なのはの近くなら、襲ってこないはず!」


 そう思い、足を速めた。


「なのは!」

「へ!?」


「ぬおっ!?」


 草陰から飛び出したわたしのギリギリ前を通り過ぎる、魔力の塊。


 ハッとしてあたりを見渡せば、そこにはフェイトーー!

 戦闘中!?

 思わず変な声でちゃったじゃん!


「・・・不法侵入?」


 とりあえず一息ついて、そう問いかけてみる。

 けど、返事は返ってこなくて。

 むしろ、2人して人のこと凝視してくる。


「?どうしたの?」

「ど、どうしたのって!みっ、巳星ちゃん、前なの!!」

「前?」


 顔を前に向けるけど、何もない。

 あえて言うなら、アルフが少しだけ見切れてる。


「そっちじゃなくて!服なの!」

「服?」


 顔を下に向ける。


「あ、ボタンが外れてる」


 っていうよりも、ボタンが吹っ飛んだ?


「あれだ。あの変な力の塊」


 もともと、2つとめただけだから。

 だって、全部止めてる余裕なかったし。

 それよりも、危機だったし。

 色々と。


「見えてるの!!」

「まあ、そりゃあ視えるだろうさ。まだ死んでないし?」

「そうじゃなくて!!むむむむ胸が!!」


 そんなどもらなくても。

 高々9歳の胸なんて、あってないようなもんだし。

 むしろ、胸と胸の間が見えてるだけで、肝心なところは見えてないよ?


「大丈夫だって。そりゃ少しは膨らんでるけど、ドキドキワクワクなほどではないから」

「意味わかんないよ巳星ちゃん!」

「なのはがもう少し大人になったらわかるよ」

「同じ歳だよ!」


 おっと、そうだった。


「なのは!それより、ジュエルシードが!!」

「あ!!」


 そんな会話をなのはとしている間に、どうやらフェイトはジュエルシードを封印してしまったようで。

 ・・・こりゃ失敬。

 って、わたしのせいなのかな?


 ちらりと目が合った。

 けど、フェイトは顔を赤くしてすぐに顔をそらしてしまう。


「・・・この姿、そんなにマズイかな?」

「そりゃそうだよぉ・・・」

「・・・もう少し、隠したほうが良いと思う」


 フェイトにまで言われてしまった。


 つか、君は帰らんで良いの?

 もう封印したんでしょ?


「いや、けど、肝心な部分は見えてないし」

「問題はそこじゃないでしょ!」

「そういうことじゃなくて・・・!」


「(いつも縛ってる髪おろしてるし!濡れてて綺麗だし!肌見えてるし!///)」

「(綺麗なのに、それに気づいてない?やっぱり、この人変な人///)」


 顔を紅く染めたなのはとフェイト。

 ようは、あれだ。


「2人とも、おませさんv」

「「問題が違う!!」」

「うおっ」


 2人に怒鳴られた。

 軽くショック!


 けど、さすが未来の大親友!

 息がピッタリだね!

 まだ敵同士だっていうのに☆


「フェイト、そろそろ行くよ」


 呆れてるアルフ。

 おっきな獣姿だけど、なんか雰囲気がそんな感じ。


 わたしか?

 けど、その子とも目があったけど、慌てたようにそらされた。


「う、うん///」

「あ!待って!」


 なのはの静止も虚しく、フェイトはアルフと共にいなくなった。

 残ったのは、わたしとなのはとユーノ。


「・・・なんだかよくわかんないけど、もどろっか」

「うん・・・」

「なのは・・・」

「大丈夫だよ、ユーノ君」


 なんだか泣き出しそうななのは。

 そんななのはの頭を撫でると、驚いたように顔をあげて。


「部外者のわたしが言うのもなんだけど、あんまり気にしないほうが良いんじゃない?それに、まだこれから会う可能性があるんだし、聞きたいことがあるならその時聞いてみればいい」

「・・・そうだね!ありがとうなの、巳星ちゃん!」


 にっこり笑顔のなのは。


「ところでさ、なのは」

「なに?」

「なんでユーノ、喋ってるの?」


 とりあえず、これは聞いておかないと。

 平然と受け止めてたら、変に思われるしね。


「「あ・・・」」


 一気に顔を凍らせるなのはとユーノ?


 けど、わたしたちを探す声が聞こえて。


「・・・まずは、みんなのところに戻ろうか。心配させちゃうし」

「う、うん。・・・あの、巳星ちゃん!」

「大丈夫、今みたことは誰にも言わないから」


 歩き出そうとした手を取られて、先手を打ってそう言っておく。


「それもあるけど!それより・・・その服、どうにかしたほうがいいと思うの・・・!」


 そっちかい!


 ちなみに、代えもないためそのまま戻ったら、すずかとアリサは顔を真っ赤にして固まり。

 ファリンさんとノエルさんが、あの眼で見てきた。


 あんたもか、ノエルさん!













 一言。

 恭也たちは、どっか





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