「すずかの家に?」

「うん!巳星ちゃんも一緒に行くの!」

「それはいいけど・・・。すずか、わたしも一緒に行っていいの?」

「もちろん。それに、巳星ちゃんもお友達でしょ?」

「うん、じゃあご一緒させてもらうね。いつ?」

「明日なの!」


 明日かよ!

 もっと早く言わない? そういうこと!

 行くけどね!


「了解」


 にしても、すずかの家か〜。

 確かアニメでは、すずかの家の子猫がジュエルシードに呑まれておっきくなったんだよね〜。

 そう、文字通りに。


 ・・・・まさか。

 フェイトと会ってから一週間は経ってるし。

 そんな初期の話しはもう終わってるに決まってるよね。


 今が何話あたりなのか、まったくもってわからないけどね。
























【おトイレはどこですか?】































「・・・・・・・・・」

「にゃぁ〜」

「なぁぅ」

「にぃ〜」


 何、この状況・・・。


「あ、あはは。巳星ちゃん、ずいぶんみんなに好かれてるね」

「す、凄いわね」

「う、うん。囲まれてるの」


 わたしは今、にゃんこさんたちに囲まれてます。

 大きい子から小さい子まで、色々。


 いや、あの、みんなして膝の上に乗ろうとしなくてもさ。

 9歳の体に、3匹はきついんですけど。


 っと、一匹がソファから落ちそうになっていて、慌てて受け止める。

 掌に収まるくらいの小さな子。

 その子は、そのまま顔を擦りつけてきた。


 はいはい、撫でますから。


「にゃぁぁ!!」

「わっ!ユーノ君!」


 ありゃ、ユーノきてたんだ。


 追いかけられてるし。

 なのははにっこり笑って助けないし。

 それで良いのか?飼い主!

 さすが白い悪魔!


 ――― コンコン


「すずかお嬢様、飲み物をお持ちしました」

「ありがとう、ファリン」


 紅茶をもって現れたメイドさん、ファリンさん。

 そんな彼女の足元を駆け回る、子猫とユーノ。


 あれ〜?

 何でだか、激しく見覚えのある光景・・・。


「っきゃぁっ!」

「やっぱりか!」


 立ち上がり、倒れそうになった彼女を抱きとめ。

 落ちそうになっているお盆を、何とかバランスをつけて落下を回避。


「危なかった・・・」


 安堵の息。

 もしここで紅茶がこぼれたりでもしたら・・・。


「にぃ?」

「なぁぅ?」


 爪を立てて人のジーパンに張り付いているこの子達に、かかってたからね。


 っていうか、そこまでせんでも・・・。

 にしても、わたしよく頑張った!

 にゃんこたち張り付けて重かったけど!


「平気ですか?」

「あっ、ありがとうございます!!」

「良いですよ。怪我がないなら。どうぞ」


 お盆を渡して、にゃんこたちをつかみ両肩に乗せる。

 その流れで撫でながら、ソファに戻った。


「凄い驚いてるけど、大丈夫?」

「っあんたこそ平気なわけ!?」

「まあね」


 恥ずかしそうに紅茶をテーブルに置くファリンさんに礼をのべ、紅茶を一口。


「美味しいです」

「ありがとうございます」


 頬を染めるファリンさん。

 きっと、恥ずかしかったのだろう。

 そりゃ、子供に助けられたらねェ。


「巳星ちゃんて、反射神経すごく良いの!」

「そう?」

「うん。巳星ちゃん、カッコよかったよ!」

「それはどうも、すずか」


 キラキラとしたなのはとすずかに返しながら、わたしは違うことを考えていた。


 なんかね、どうやら今日みたい。

 なにが?って言うと、なのはとフェイトの初対面?


「あんたって、さりげなくパーフェクト人間よね」

「まさか。パーフェクトな人間なんていないよ」

「でも、頭も良いし、運動神経も良いじゃない(顔も、性格も良いし///)」


 違うよ、アリサ。


「人はね、人間である時点で、欠陥があるんだよ」

「「「「え?」」」」

「全てが素晴らしい人間なんて、この世にはいない」


 驚いたようにわたしを見てくるなのはたちを見つめ返し、肩にのったままの子猫を撫でる。


「パーフェクトな人間なんて、それはもはや人ではなく、神と呼べる存在だよ」


 沈黙。


 小学生にはちょっと、キツイ発言だったかな?

 やっちゃった☆


「・・・あんたがなに抱えてんのか知らないけど、人からの賞賛を捻くれて捉えないでよね!」

「っふぐ・・・!」


 飛んできたクッション。

 顔面直撃です。


 避けなかった理由?

 両肩に重石があるから☆


「アリサちゃん!?」

「巳星ちゃん、大丈夫!?」

「大丈夫ですか!?」


 でも、彼女のおかげで、変な空気が消えた。


「平気。にしても、顔面はひどくない?」

「ふん」


 不機嫌そうにそっぽを向くアリサ。

 相変わらず慌てているすずかたち。


 思わず、笑みがこぼれた。


「「「「っ!?」」」」

「なら、ありがとう、アリサ」


 色々な意味で。


「っふん!」


 さっき以上に勢いよくそっぽを向くアリサに笑みを深め、少しだけ温くなってしまった紅茶を飲んだ。


 にしても、なんか、なのはたち顔赤くない?


「(巳星ちゃん、うっすらとだけど笑ったの・・・!)」

「(はじめて巳星ちゃんの微笑む顔、見ちゃった・・・!)」

「(綺麗でした・・・!)」

「(なによあの笑顔!反則だわ!今まで、一度も笑ったことないくせに!!)」


「・・・ん?」


 あれ?

 なんだろう・・・?


「ど、どうしたの?巳星ちゃんっ」

「いや・・・」


 わたしはゆっくりと、右肩に乗っている子猫を抱き上げた。


「「「「あ・・・・」」」」

「・・・やられた・・・」


 温い右肩。

 そこは、濡れていて。


「にぃ?」


 可愛く、小首を傾げる子猫。

 そんな子を、怒れず。

 思わず、ため息。


 着替えなんて、持って来てないんですけど!















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