「アリサ・バニングスよ。よろしく」

「月村すずかです。よろしくね」

「よろしく、アリサ、すずか」


 あの後、何故かなのはに懐かれました、須加巳星です。

 休み時間、その流れが継続のまま友人2人に紹介されました。


 まあ、お友達になっただけであって。

 さすがに、物語に介入するようなことはないだろう。

 ほら、わたし普通の人間だから。


 そこ!トリップした時点で普通じゃないとかいうな!

 ましてや、マリみての世界にいっておいて今さら・・・とか言うな!

 あれだよ!

 気の持ちよう!

 思うことはあるけど、そこは総スルーさ!


「ところで、巳星」

「ん?」

「あんたってハーフ?」

「そう。日本人とイギリス人の」

「カッコイイの!」

「そう?」


 どこら辺が?と思いつつ、なのはにそう返した。

 だって、アリサがいるのに、ハーフがカッコイイって意味がわからんもん。


「その瞳、綺麗だね」

「母親の系統が混ざってね」

「なら、お母様がイギリスの方なんだね」

「そう」


 何故かキラキラした瞳のすずかに返しながら、澄みきったお空に願った。


 早く、おうち帰りたいです。






























【予想外?予想内?】































「ざけんなガキ!ちゃんと前見て歩けっつんだよ!!」

「・・・・・・」

「何とか言ったらどうなんだ!!」

「・・・・・・」


 なんだろう・・・。

 この、目の前の光景・・・。


 アリサと同じ、金髪。

 華奢な身体は、ちゃんとご飯を食べてるのかもわからない。

 何より、真っ黒なワンピースが。


 うわ、こいつ絶対暗い、と思わせる。


 ああ、いや、関係なかった。

 ・・・うん。


 とにかく、外見でいえば今のわたしと同じくらいの女の子。

 その子が、男の人に怒鳴られてて。

 男が言うのを聞くに、たぶんぶつかりでもしたのだろう。

 言うなれば、ぶつかったくらいでそこまで怒りを表さんでもいいだろうに。

 相手は子供なんだし。


 ・・・素通りしようかな?

 人として失格以前に、関わりたくないというか。

 今度こそ、原作キャラとは深い関わり持たないようにしたい、というか・・・。

 はは・・・うん、今さら・・・。


 だって、絶対あれ、フェイト・テスタロッサだもん。

 足元でうなり声あげてる紅い狼?が、何よりの証拠。


 っていうか、あの子の毛色を見てよく誰も驚かないな、なんて場違いなことを思ったり。


「っ大人をなめんのもいい加減にしやがれ!!」


 おうっ。

 関わりたくない、とか言ってられない!?

 そんな小さな子、ぶつかって何も言わないだけで殴るなよ!

 大人なら、


 ちゃんと前みて歩くんだぞ〜?お嬢ちゃん☆


 って、にっこり笑顔で脅すくらいの器量をもってっつぅの!

 つか、見て見ぬ振りするな!周り!


「大人気ありませんね」


 わたしは振り下ろされた拳を受け止める。

 そんなわたしを見て、双方がビックリ、的な顔。


 あのね?

 本来、自分の感情を消化するためだけに怒って、子供に手をあげるこういう大人を止めるのは普通のことなんだよ?

 何で、周りでみてた人達まで驚くわけ?

 本当なら、あんたら大人が諭すべきことなんですけど?


「なにしやがる!!ガキ!!」

「子供に暴力を振るおうとしたから止めた、それだけですが?」

「うるせえ!このガキが謝らねえから、躾けてやってんだろうが!!」

「躾?こんな力のこもった(わたしにしたら軽いけどね)拳を、私たち子供に向けるんですか。それが躾だと?」

「そうだ!最近のガキは、モラルがなってねぇんだよ!!!」


 思わず、鼻で笑ってしまった。


「っガキがぁ!!!」


 向かってくる蹴り。

 息を呑む、後ろの子と周り。


 わたしは向かってきた足首をつかんで、引っぱった。


「っぉわっ!!」


 バランスを崩して尻もちをついた男を見下ろす。


 弱い、弱すぎる!

 伊達にこちとら、前の世界?現実の世界?よくわかんないけど、修行してたわけじゃないんだぞぉ?

 野生の熊なんて、爪で薙いでくるんだぞ!?

 それに比べたら寂しすぎ!


「モラルがなってない大人が、モラル云々とかぬかさないでくれない?最近のガキが、なんて言ってる時点で、常の自分の行動が非常識であることを自覚してない証拠だね」

「んだと!?」

「そうやって凄めば、わたしたち子供が萎縮するとでも思ってるの?」

「このやろう!!」


 立ち上がった男は、もう一度わたしに向けて拳を向けてきた。

 また受け止める。


 さっきので気づきなよ、そんなのろまな動きでわたしは殴れない、って。

 わたしに勝ちたいなら、熊つれてこい熊!

 それでも互角だと自負してますが何か!


「こんな小さな子に正当な理由でカモフラージュした暴力を振るおうだなんて、見て見ぬ振りする腐った大人たちが許しても、わたしは許さない」

「愛情を持った躾じゃない、ただ鬱憤を発散するためだけの怒りなんて、わたしは認めない」

「”叱る”と”怒る”は、意味が違うんだよ」


 わたしは彼女の手をとり、唖然としたような狼も抱き上げて踵を返す。

 そんなわたしの肩をつかむ男。

 振り返れば、迫る拳。


 理解する能力が皆無な人間て、本当めんどくさい。


 軽くそれを身を横にずらすことで避けて、男を見つめた。


「そんなに、気絶させてほしいわけ?」

「っ!?」


 息を呑む男。

 今度は向かってこなかった。


 ため息をついて、わたしは今度こそ歩き出した。





































 嫌だわ〜、シリアスって。


 そろそろシリアスから抜けてもいいだろうと思い、彼女の手を離した。

 もちろん、狼の子も地面におろす。


「じゃあ。次からは、適当に謝ったりしたほうが良いよ。そのほうがめんどくさくないから」

「っ待って!」


 掴まれた袖。

 振り返り、彼女を見る。


「その・・・ありがとう・・・」

「どういたしまして」


 彼女の頭を撫でて、わたしは歩き出した。


 駆け出したかったけど、そこは意地で?

 だって、理由聞かれても答えられないし。

 原作キャラにあっちゃったから、なんて。


 なのはたちの時点でアウトだけどね☆

















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