【自己紹介】




















 初めまして、 、といいます。



 今日から、わたしはこの家・・・・・・訂正、お屋敷で、メイドとして働かせてもらうことになりました!



 何故、16の身空で、メイドとして働くことになったのか。



 それは、語るも涙な事情がありまして。




 両親がこのお屋敷の持ち主である、小笠原 清子奥様に借金がありまして。



 その額、なんと5億円!



 そんなお金、中流家庭の家が払えるわけもなく、わたしが5億円の借金と引き換えに、このお屋敷にメイドとして働くことになったんです。



 両親は、両手をあげて私を送ってくれましたよ(泣



 最低。



 とまあ、わたしの事情はさておき、このお屋敷に住んでいらっしゃる方は、総勢14名。




 多過ぎじゃないですかね?




 って、弱音を吐いている余裕もないので、早速出陣です!





 えっと、これ、インターホンですか?




 むしろ、電話・・・・・。




 まあ、お屋敷ですし。




 自分を納得させて、わたしはそれを取った。




【・・・・・どちら様でしょうか?】




 少しの間の後、聞こえてきたのは幼い感じの声。





 それに、なんとなく肩の力を抜いた。




「今日から、こちらでメイドとして働かせていただくことになった、と申します」





【ドタドタドタドタドタ!!!!】




 ひぃ!!




 な、なんか、凄い音聞こえるんですけど!





【お待ちしておりましたわ。どうぞ、おこしください】





 人変わってるけど!





 え?なに?




 い、行っても良いの、かな・・・・?





「わ、わかりました」





 とりあえず受話器を置いて、わたしは恐る恐る、見えるお屋敷へと歩いていった。



















 長い。






 長いから。






 どこまで続くの?この道。





 そんなことを思いながら、やっとついた玄関。






 あ〜、緊張してきた。






 深呼吸をして、ドアをノックする。






「はい。開いてますよ」





 優しそうな声だ。





 ホッとして、そのドアを開けた。









「っ!?」









――――バタン!!









 何あれ!






 何あれ!!






 何あれ!!?







 何で、玄関に、一列に並んでるの!?







 思わず、閉めちゃったじゃん!!






 っていうか、わたし何やってるわけ!?






 これから仕える人達なのに、第一印象から悪くない!?






 ど、どうしようっ。






「そんなに慌てなくても良いのよ」






 慌てふためいている中、ゆっくりと開いたドア。





 そこから現れたのは、美しい和服の女性。





 洋館に、和服って・・・・・・。






 突っ込みたいけど、この人が奥様っぽいので言えるわけもない。







「す、すみませんっ」






「良いのよ。さすがに全員は驚いたわよね。さ、中に入って」






「し、失礼します」






 清子奥様(仮)にそくされて、わたしはお屋敷の中へ。






 うわ〜。





 改めて見ると、系統の違う美女ばっか。




 可愛い系やら、格好いい系もいるよ。





 って、何あのドリル。





 うわ、身長高っ。





 い、市松人形だ。




 西洋人形もいる。





 あれ?何で狸?




 っていうか、カメラ?メモ?





 









 なんていうか、個性強そ〜。





 それにしても、子どもが13人って、清子奥様(仮)頑張ったんだな〜。





「全員を紹介するわね。まず、長女の蓉子」




「初めまして、さん。長女の、小笠原蓉子よ。といっても、三つ子だから大して変わらないけれど」





 み、三つ子?





「蓉子の下の江利子」




「初めまして、小笠原江利子よ。これからお世話になるわね。色々と」





 ・・・・・その色々、ってなんですか?





「次が、三つ子の一番下、聖よ」





「初めまして、。わたしは小笠原聖。わからないことがあったら言ってね。手取り足取り腰とり教えてあげるから」




 け、結構です。





「その下の、三奈子、祥子、令よ」




 こ、ここも三つ子?





「初めまして。小笠原三奈子よ。これから、様々な取材に協力してね」




 しゅ、取材ってなんですか?





「初めまして。小笠原祥子よ。聖お姉さまみたいな人を排除するのが、私の夢なの」





 こんなところで、夢を語られてもっ。





「初めまして。小笠原令。料理と裁縫が得意だから、教えてほしい時は言ってね」





 あ、この人普通っぽい。





「ついでにヘタレよ」




「え、江利子お姉さまぁ〜(泣」





 ・・・・・・・でもなかった。





「サクサクといきましょうか。その下が、祐巳と志摩子よ」





「は、初めまして!小笠原祐巳といいます!よろしくお願いします!」




 あ、さっきの声の子だ。




 なんか、ホッとする方だな〜。




「初めまして。小笠原志摩子よ。銀杏に関しては任せて」




 ま、任せてと申されましても。




 っていうか、このお二人、双子!?





 上もそうだけど、似てねぇ〜!





「その次が、由乃と蔦子」






「初めまして、小笠原由乃よ。誰かにケンカ売られたら言ってね。相手、成敗してあげるから」





 ウィンクしながら、その物騒な発言はどうなんでしょう?




 そんな儚げな外見してるのに・・・・・。





「初めまして、小笠原蔦子よ。趣味は盗撮。よろしくね」




 と、盗撮って、そんな堂々と言って良い言葉でしたっけ?






「それから、乃梨子と瞳子」





「初めまして、小笠原乃梨子と言います。趣味は、仏像巡りです」




 と、特異な趣味をお持ちで。





「初めまして、小笠原瞳子と申します。特技は巻き髪です」




 え?巻き髪?



 な、何それ。




 えっと、そのドリルのことかな?





「一番下の、可南子よ」





「初めまして。小笠原可南子と言います」





 い、一番下!?





 蓉子さまくらい身長ありますけど!





「そして、最後が私。小笠原コンツェルの社長を務めている、小笠原清子よ。よろしくね、ちゃん」





 ふんわりと微笑む清子奥様。





 あ、あの、凄い聞きたいんですけど。





 あなたにまったく似ていない人がいるのは、何でですか?





「よ、よろしくお願いします」





 心の思いを面に出さないようにつとめて、私は清子奥様方に頭を下げた。









 わたし、この家でやっていけるのだろうか・・・・?

















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