【祐巳たん気づく】


























 皆さんは、マリア様がみてる、という小説を御存知だろうか。

 時代錯誤なお嬢様学校を舞台にて、何の変哲もない普通の女の子が美人な生徒達とキャハハウフフする。

 もっと簡単に言えば、何の取り得もない男の子ハーレムに代わって、女の子で女の子ハーレムを作る、みたいな?

 アバウトに説明すれば、そんな感じ。

 違う?

 まあ、私にとってそこらへんはどうでも良いわけで。

 何が言いたいのかというと。


 どうやら私は、そのハーレム主、福沢祐巳として生まれ変わってしまったらしい。


 何がどうしてそうなったのかを完結に説明するとすれば。



 唯一の友人に、何故か刺された。

        ↓

  おっと、これ結構ヤバくね?

        ↓

   残念、ご臨終です。

        ↓

 生まれ出てきてこんにちは。

        ↓

 生誕3周年。ふと気づく。

        ↓

 あれ?この名前、聞き覚えありません?



 まあ、そんな感じで。

 もともとね、前世の記憶があるのはなんかおかしいな〜、と思ってたんだけど。

 そんなこともあるよねぇ、と1人納得して、あんまり奇妙な行動はしないようにしてたわけで。


 福沢祐巳ってあなた。

 むしろ何で今まで気づかなかったのか、って気づくはずもないけどさ。

 普通思わないっしょ、小説の主人公に転生とか。

 妄想の世界(二次とか)じゃないんだから。


 だからって、何がどうなるわけでもないんだけどね?

 私が福沢祐巳の時点で、すでに原作からは逸脱しているわけだし。


 そんなわけで、私の日常生活始まります。




























<みき 視点>


 祐巳ちゃんは、ハイハイし始めたあたりから不思議な行動を繰り返していた。

 日がな一日、時間があればずっと歩き回っているのだ。

 好奇心を刺激されて見に行く、などではなく、意味もなく家の中を永遠と。

 もしかしたら何か病気なのかも、と医者に見てもらうが、異常なくらい健康的と太鼓判を押された。


 異常なくらいって失礼ね!(ぷんぷん


 それはともかく、ずっと動き回っているせいか、夜になると泣くこともなく爆睡。

 このあいだなんて、震度4の地震でベビーベッドが倒れたにもかかわらず眠っていた。

 隣で寝ていた祐麒が激しく泣いているにもかかわらず。


 思わず、呆れを通り越して愛しさが倍増した。


 立てるようになったのは、他の子に比べてもずいぶん早い。

 どうやら、ずっと歩き回っていたために同年代の子に比べてずいぶんと筋力が発達したみたい。

 けどそのせいで行動範囲がずいぶんと広がり、危ないからと私がついていくけれど、こっちが疲れちゃった。


 運動不足が身にしみたわ・・・。


 1歳半、祐巳ちゃんはもうすでに私の言っている言葉をしっかり把握できるまでになった。

 天才かしら、と褒めたら、舌っ足らずな言葉で「へいぼんです」だって。


 照れ屋なのね♪(そこか?


 彼女が私の言葉がわかると気づいたのは、祐巳ちゃんを間違えて”祐巳たん”って呼んじゃった時。

 そのときの凄い嫌そうな顔で、私はもしかしたら彼女は私の言っている言葉がわかるのでは、と思い始めたの。


 あのときの歪んだ顔が凄くすっごく可愛くて、今もたまに言っちゃうのv


 そうそう、祐麒はずいぶんとお姉ちゃんが大好きらしくて、いつもあとを追いかけてるわ。

 あの子はまだハイハイしかできないし、祐巳ちゃんみたいにその速度が速いわけでもない。

 だから祐巳ちゃんは不満そうにしながらも、祐麒が行けない場所に行こうとはしなくなった。


 頬をふくらませたその不満そうな顔もぷりちーvv


 2歳を過ぎたあたりから、ちょっと難しい本を強請るようになって読むようにもなった。

 けどお母さん的には、絵本を読んであげたい。

 でもそう言わないのは、私の膝の上で読んでくれるから。


 ただ、祐巳たんの膝の上に祐麒も座ってるから、脚が、ね・・・。(けっこう重いらしい


 3歳になったので、ピアノを習わせてみた。

 指が届かないことに不満そうにしていて、何度も慰めるけど効果はあまりないみたい。

 祐麒もまねして習いたがっていたけど、さすがにこの子は無理よね。


 ・・・実は、そのプクプクした顔が見たかったことは内緒♪


 4歳になった頃、習い事を増やしてみた。

 書道、華道、茶道。

 それと、本人が希望した空手も。


 それを告げたときの怒りと喜びがない混ぜになった顔、べりべりぷりちーvv!


 そしてその2年後。

 祐巳たんがおやつ時、できるかーーー!!とお菓子を放り投げた。

 2年も耐えた祐巳たん、さすがね。

 というわけで、お稽古事終了。

 何故か先生たちに、泣いて喜ばれた。


 さすが祐巳ちゃん、師を越えるなんて先生泣かせねvv


 ふふ、これからもっと可愛い祐巳たんを見せてねvvvvv


















 あとがき。


 何故か、母親のみきが壊れるという衝撃の出来事。

 予想外です。














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