【初めまして】
「おい、内海」
「あ、はい!」
志郎に呼ばれ、薫はあわてて振り返った。
すると、志郎の隣には美女が。
「え、えっと・・・弓削さん、その子は」
「湯川。お前の後輩になるやつだ。色々教えてやれよ」
「よろしくお願いします」
満面の笑みで頭を下げるに、薫はえ?といった顔。
「どうした?」
「あ、な、何でもありません!」
手を横にふれば志郎は訝しげに薫を睨み、けれどすぐにを見た。
「湯川、わからないことがあったらこいつに聞けよ?」
「はい、ありがとうございます」
志郎は踵を返し、部屋を出て行く。
とたん、顔をにやけさせて両手でコブシを作り、足をばたばたさせた。
「可愛い〜〜〜!!あ〜、すっげぇタイプ!」
部屋の外で志郎がそんなことをしているなんて気づかず、は薫へ目を向ける。
「改めて、湯川です。よろしくお願いします」
「あ、内海薫です。よろしくお願いしますっ」
何度かお互いに頭を下げあい、それから吹きだすように笑いあう2人。
「さんて、呼んでもいい?あ、いくつなの?」
「どうぞ。私も、薫さんとお呼びしますね。歳は27です」
「あ、わたしと同じなんだ。よろしくね」
「はい」
握手をして、2人はまた微笑みあった。
「薫さん、こちらにいらしたんですね」
「あ、さん。どうしたの?」
桜子の部屋にいた薫のもとに、がやってきた。
「弓削さんが呼んでらっしゃいましたよ」
「弓削さんが?」
「はい。お聞きしたいことがある、とか」
「わかった。ありがとう、さん」
「いえ」
笑顔で会話をし、薫は部屋を出て行き、残ったのは桜子と。
「それでは、私はこれで」
「ねえ、あなた新しく入った子?」
「はい。湯川といいます」
「湯川?」
ちょっと驚いたように目を見張った桜子に、が首をかしげる。
「なにか?」
「確か、ガリレオ先生も湯川っていう名前じゃ・・・」
「あ、兄を知っているんですね」
にっこりと微笑むを驚いたように見、それからマジマジと見つめた後、納得の表情をした。
「確かに、似てるわね」
「そうですか?初めて言われました」
「・・・・まあ、ガリレオ先生は笑わなそうだものね」
「そうですね。兄は、口端をあげて笑うことはあっても、笑顔を浮かべることはないかもしれません。けど、何故兄のことを?」
が首をかしげると、桜子は笑う。
「内海さんとガリレオ先生、コンビ組んでるのよ」
「え?でも、兄は警察では・・・・」
「難しい事件とかは、ガリレオ先生に手助けしてもらってるみたいよ、内海さん」
「ああ」
が納得すると、桜子は冷蔵庫からコーヒーを2個取り出した。
「あなたもどう?美味しいのよ、これ」
「あ、でも、ご迷惑では」
「迷惑だったら誘わないわよ。それに、ガリレオ先生のこととかも聞きたいし」
微笑む桜子に苦笑を浮かべ、は断りをいれ、薫が座っていた椅子に腰掛ける。
「ご馳走になります」
「ふふ。どういたしまして」
にこりと微笑む桜子。
そんな彼女を見て、はひっそりと頬を赤くしていたのだった。
ブラウザバックでお戻りください。
SEO
掲示板
[PR]
爆速!無料ブログ
無料ホームページ開設
無料ライブ放送