【・・・・・・え?】




























「・・・・・はぁ・・・・」


 汗で濡れた体を起こす。


 純粋にキモイ、この感触。

 いつまでたっても、慣れないね・・・・。


 知らず知らずのうちに出てたため息をつき、わたしはベッドから起き上がった。

 っていうか、さっきからなんか眩しいんですけど。


 顔をそちらに向ければ、


「・・・・・?・・・・っ!?」


 ああ、いわゆる、これが二度見なのね・・・。


 窓の外に広がる真っ青。

 空との境界線がわからないくらい。


 って、眼鏡かけてないからわからないんだ。

 巳星、失敗。


 キモイことをやりつつ、冷静に眼鏡を探す。


 おう!落としちまった!

 さりげなく、混乱!?

 ええ、してますが何か!?


 何とか眼鏡を掛けて、もう一度窓の外へ。


「・・・・・・海・・・・・?」


 なんか、顎外れそう。

 いや、比喩で、それくらい驚いて口ポカーン、って意味なんだけど。

 ・・・・・・わたしは誰に説明してるんだ?


 脳内独り言って、色々やばくない?


 とりあえず、自分のやばさ加減を見ない振りして、わたしは窓を開けた。


「・・・・海・・・・」


 あ、同じこと呟いちゃった!

 ・・・・そ、そうだな、今やるべきことは素早い現状確認?


 わたしはベッドから降りて、部屋を出


 ――― ガン!


「No!!」


 小指が!

 小指がぁぁぁ!


 ありえないくらいに身もだえ、床を叩いた。


 ロープロープ!


 自分でも意味がわからないが、とりあえずギブを宣言。

 いや、マジで痛いんですけど!


「巳星、朝は少し静かにな?」


 ああ、いらっしゃったのね、父よ。

 けど、今のわたしを見て、もう少し心配してくれても良いと思う。


「なんだ、小指打ったのか?」


 首肯だけ返す。

 声を出せ?

 出せるかボケェ!!


「しょうがないな」


 父によって抱き上げられる。

 意外に腕力あるんです、父。

 母をよく抱き上げるからね★


『?どうしたの?』

『足を打ったみたいだよ』

『いや、もう平気』


 まだしびれるけど、さすがに2階から1階におりてる間に、痛みはほとんど引くさ。


『そうか?なら、朝食を食べようか』

『ええ』

『いただきます』


 並べられた朝食は、父が作ったのは美味しそうなものばかり。


 それを食べて、わたしは学校に行く準備を。

 準備を・・・・。


「制服が、ない・・・・・!?」


 愕然。

 ついでに、窓の外に見える海にも愕然。


 夢じゃない・・・・。

 で、なんで制服もない・・・?


 昨晩、ちゃんと桜ヶ丘高校の制服、ハンガーにかけておいたはず・・・・。


『・・・・母さん』


 リビングに下りて、父とテレビを見ながら話をしている母に声をかけた。


『どうしたの?』

『高校の制服が、ない・・・・』

『おかしなことを言うな、巳星は。AQUAに高校はないんだぞ?』


 あくあ・・・????

 え?どこ・・・?


 父の笑顔に混乱。

 意味わかんない!


『それに、巳星はARIAカンパニーに就職するんだろう?今日は、申し込みに行くって、言ってたじゃないか』


 ・・・・言ってねぇよ・・・。


『そ、そうだっけ?』

『大丈夫?』


 え?それは頭の方の心配?

 母にだけは問われたくないぞ、その質問は。


『あ、うん、大丈夫。ちょっと、出かけてくるね』

『『行ってらっしゃい』』


 父と母に言葉の見送りをしてもらい、わたしは家の外へ。


「・・・・・なんでやねん」


 思わず、出身でもないのに飛び出す方言。


 だってさ、目の前海よ?

 え?これ湖?


 いや、そんなことどうでも良いんだって。

 まずは、現状確認でしょ、巳星!


 自分を叱咤して、わたしは石造りの道を歩く。


 ここは、どう見たって日本じゃない。

 あえて言うのなら、ヴェネツィア?


「灯里!脇が甘いって言ってんでしょうが!」

「ごめんね〜、藍華ちゃん」

「謝ってる暇があるなら直す!」

「はひっ!」


 なんか、熱血な声が聞こえる。


 わたしは方向転換し、そちらに向かった。

 なんか、声からして同学年ぽいし。


 近づいていくと、髪の長い2人組の少女が。


 ・・・・・黒髪は良い。

 けど、桃色って・・・・。

 どんな遺伝子してんだ、あの子・・・・。


 それに、あれは船・・・・?

 やっぱり、ヴェネツィア?


 え、えっと、わたしっていつの間に海越えた?

 寝てる間に?

 いや、無理でしょそれ!

 須加さん、結構眠り浅い方よ!?


『・・・・すみません』


 とりあえず、外国のようなので英語で話しかけてみた。

 ヴェネツィアが、英語圏内かどうかもわからないが。

 いや、でもあの髪色で、日本語っていうことも・・・・・。


 あれ?でもさっき、日本語で喋ってなかった?

 え?あの人たち何人?


「「・・・・・・・・」」


 わぁ、激しくぽかん顔!


『すみません』


 もう一度チャレンジ。


「っはわっ!!」


 はわっ!?

 それ何語!?


「あ、藍華ちゃん!なんか話しかけられてるよ!?」

「わわわかってるわよ!!」


 2人とも、混乱してる。


 ・・・・やっぱり、日本語・・・?


「え、えっと、今あの人なんて言ったわけ!?」


 桃色、激しく首ふり。

 横にね。


「えっと、あっと・・・・・・灯里〜〜!!」

「むむ無理だよぉ〜〜!!アリシアさ〜〜〜ん!!」

「晃さ〜〜〜ん!!」


 遠吠えをはじめた2人。


 なんだろう、この子達は・・・。

 わたしは、新手の人種を発見してしまったのだろうか。


 とりあえず、再チャレンジ。

 今度は、日本語で。


「・・・・・すみません。少し、お聞きしたいことが」

「話せんじゃない!!」


 うおっ!

 黒髪に怒鳴られた。


「英語圏内かと思ったので。お聞きしたいことがあるのですが、少しお時間よろしいでしょうか?」

「ほへっ!?は、はい!大丈夫です!」

「ここは、どこなんでしょう?」

「は?」

「ほへ?」


 黒髪、睨むのはやめてほしいです。

 須加さん、意外と小心者なの。

 ・・・自分で言ってて嘘くさいな。


「両親に連れてこられたばかりで、此処がどこだかいまいちわからないんです」

「え、えっと、此処はネオ・ヴェネツィアです」

「ネオ・・・?」


 なんだ、ネオって。

 ヴェネツィアは予想通りとして、どこからきた、ネオ。


「あんた、田舎もんかなんか?」

「そうかもしれません」

「此処はね、もと火星よ」

「150年くらい前に、惑星地球化改造によって極冠部に堆積していた氷が溶けたことによって、地表の9割以上が水に覆われてしまったんです。それによって自然と人間が暮らせる星へと変わったんですよ」


 ・・・・なんですと!?

 火星って、あの火星!?


「名称も火星から、水の惑星、AQUAへと変わりました」


 あくあって、そういう意味・・・。
 

「・・・そう、ですか。ありがとうございました」


 2人に頭を下げて、わたしはその場を去ろうとした。

 とりあえず、今入ってきた知識をまとめないと駄目だし・・・。

 ・・・許容範囲超えてるけどね!


「・・・ちょっと待ちなさいよ!」

「はい?」

「あんた、ここに来たばかりなんでしょう?なら、私たちが案内してあげてもいいわよ?」

「はや!そうですよ!ご案内します!」


 フレンドリー・・・・。

 けど、これは好都合といえば好都合。

 いまいち理解できないし、無理やりにでも理解した方が早いかも?


「それじゃあ、よろしくお願いします」

「あのっ、あのっ!」

「はい?」

「私は、水無灯里です!」

「私は藍華・S・グランチェスタよ」

「わたしは須加巳星です」

「よろしくおねがいします!」


 にっこり笑顔の水無灯里。

 それに頷いて返すと、藍華(名前長い)が不満そうに言ってきた。


「敬語、やめれば?灯里も巳星も。なんか、むずむずすんのよね」


 彼女の言葉に、わたしと水無灯里は顔を見合わせる。

 そして、水無灯里は笑った。


「そうだね!これからよろしくね!巳星ちゃん!」

「・・・よろしく、灯里」


 握手。

 したら、その上に藍華の手が。


「私もよろしくね、巳星」

「うん、よろしく、藍華」


 その後は、ゴンドラと呼ばれるらしい船に乗り込み、ネオ・ヴェネツィアのを案内してもらった。


 とりあえず言えることは。

 ネオ・ヴェネツィアよりも、藍華と灯里の掛け合いの方が面白い。


 理解?

 ・・・・なんとなかるんじゃない?(軽






















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